愛されプリンセス２《 HSJ 》 (ページ44)

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94. red × necklaces ページ44

貴方.

涼「Aちゃんあのね、……俺、やっぱりAちゃんみたいになりたくてっ。Aちゃんは変なのって笑うけど、」

『うん……ほんとにね。どこがいいの？私なんかの』

涼「決まってるじゃん！見てる人皆笑顔にしてくれる！それに誰も置いていかないでしょ、Aちゃんは！」

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涼「なるほどね〜……皆シルバー系で攻めてんだ、」

『流石涼介、いいとこに気が付くね』

涼「……やめて！照れるでしょ」

どこに照れてるんだか……嬉しそうに笑った涼介は、シンプルなシルバーネックレスに手を伸ばした。偏見だけど、男の人って飾りが大きければ大きいほど好みそうなイメージ。女性に贈るときに何を思って選んでるのかは、あんまり分かんないけど。

涼「……俺知ってるんだよ。オープンハートのネックレスって、嫌われるんでしょ」

『ふ……っ、やめて、笑っちゃう。まあ個人差あるけど、山田涼介にもらえるならオープンハートとか気にしないって』

涼「ええ……Aちゃんは、俺からもらえたらそれでもいいの？」

『正直何くれたって嬉しいよ。私を想って選んでくれてるんでしょ？』

五秒ほどフリーズした涼介は、「そういうとこぉ……」と顔を覆ってしまった。私自身、プレゼントには「選んでくれた時間」という付加価値が付くからこそ尊いものだと思っている。何をくれても嬉しいっていうのは心の底からの本音だ。

そんなこんなで涼介は小さなハートの飾りがついたネックレスに決めたらしく、「付けてもいい？」と私の後ろに回った。答えはもちろんイエスだ。

涼「……よし、付いた！」

『ふふ、……どう？可愛いですか？』

涼「うん！今日も世界一！」

『……へへ、ありがとう。涼介に褒めてもらえると、自信つくなあ』

彼が事務所に入ってきてから、会う度に「憧れです」「いつか追いつきたい」と伝えられてきた。信じられないほど顔が整っていて、可愛くて、かっこよくて、ダンスや歌も一級品。私なんかより何もかも持ってるのに……そう思っていたけど、屈託なく笑うその瞳に、嘘なんてひとつもなくて。

涼介に認めてもらえるなら、今日も世界一のアイドルだと言ってもらえるなら。……まだもう少し頑張ってみようかな、なんて思えてしまうのだ。