愛されプリンセス２《 HSJ 》 (ページ36)

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86. Dear ページ36

貴方.

『わ〜……ほんとに？これ全部？』

たくさんの洋服や、アクセサリーが並べられたドレッサールーム。女の子の憧れがぎゅっと詰まったような、ホワイトで統一された清潔感のある雰囲気で。

私を取り囲むように立っているカメラマンさんやスタッフさんは、にこやかに笑いながら頷いてくれた。ここにあるものを使ってスタイリングしていくらしい……何でも、私の誕生日企画で、スタイルブックのようなものを出版するとか。

もちろん、ただのスタイルブックではない。ある程度のベースメイクを済ませた私は、部屋の中心にあるソファに腰をおろした。

「今から、メンバーの皆さんがお一人ずつ入ってきます。スタイリングは彼らに任せるということで……」

『……えっ、あ、そういうことですか？』

「はい、そういうことですね」

ふふ、と笑ったスタイリストさんは、本当に困ったときだけ助け舟を出すと言った。いや、斬新なアイディアだなあ……モデルをやっていたり、ファッションに慣れているメンバーもいるけど、女の子の服装とか、ちゃんと分かるのかな。

一抹の不安を覚えつつも、誰からやってくるのか、ドキドキしながら待つことにした。

……それにしたって、本当にたくさんのものが用意されてるんだなあ。

たくさんのワンピースがかけられたハンガーラックに、照明の光をきらきらと反射するアクセサリーボックス。カラフルなヒールだったり、ちょっとした小物も並べられている。

これ全部好きにしていいですよなんて、女の子ならたまらないだろうな……

「……えっと、失礼します？」

物思いに耽っていると、控えめにドアがノックされた。