77.つかまえた(新曲バレ有) ページ27
貴方.
『涼介っ、……涼介!!』
私たちの新曲である、群青ランナウェイの撮影中。今回は全てが謎解きのように作られていて、ソロクリップが答え合わせになっている。
私は涼介と侑李とホテルで談笑した後、狐に呪われる侑李を目撃して……慌てて涼介に知らせようとしたところを呪われる、そんな設定だった。
誰もいない、どこまでも続くホテルの廊下……どの部屋に入っても変わらない景色。撮影と分かっていても、結構怖い。
『誰か助けてよぉっ……!誰か!!』
頭を抱えて蹲れば、あっという間にカットがかかる。
その場にすっと立ち上がると、そばで見守っていてくれた涼介と侑李が寄ってくる。何やら楽しそうな二人は、「鳥肌立ったね」「怖かった」と口々に感想を伝えてくれた。
『ありがとうございます……』
涼「本当に助けてあげなきゃってなったもん」
知「A一人だけテイスト違うもんね。呪いが来るって分かってた分の恐怖がさ、」
『そうそう。涼介の安否も心配だし……っていう』
私と涼介は、同じ空間にいるはずなのに決して巡り会えない。何とも言えない不気味な空気感が気持ち悪くて、そのすれ違いだったり、今回のシングルならではの独特な雰囲気を味わってもらえるはず……怪談が苦手な子は可哀想だけどね。
涼「俺は俺でAちゃんの声が聞こえるのに見つけらんない、っていう恐怖をね……」
『それも中々だよね。どこにいるんだよ?!っていう』
知「二人を恐怖に陥れるの、楽しかったですよ」
『悪い子だなぁ、ちぃちゃん……』
メイキングカメラに向かって3人でピースサインを作れば、スタッフさんも笑顔になってくれた。後々「いつもと違いすぎるから怖かった」と伝えてくれて、ちょっと笑っちゃったんだよね(笑)
586人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ