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貴方.
小「何で、って……そんなん、そら離すやろ」
『……そんな、当たり前みたいに言われても分かんないよ。私なら離さないから、』
小「大晴とか、拓哉でも離すって。マナーやマナー、」
『うそ。分かんない、それ』
小「分かる分からんの話ちゃうねん。普通は離すってだけで」
まだひんやりと冷たい健ちゃんの手が、私の腕を掴んだ。
途端にじんわりと広がる穏やかな温もりに、何だか少し泣きそうになった。理由は分からないけれど、ただ、涙が込み上げてくるような感覚に陥る。
そのままゆっくりと抱き締める力を緩められて、彼はくるりと私の方を向いた。
真正面から抱き締め直すと、肩の辺りに重みを感じる。
縋るように肩に顔を埋められて、何かを願うように弱々しく抱き締められた。
小「……たのむ、から、分かって」
『わかんない、そんなの』
小「これ以上言うたら、俺も惨めで、」
常にポジティブで、明るくて、優しい健ちゃんが「しにそうや」なんて震える声で呟くから。
何か言わせちゃいけないことを言わせようとしているのかもしれない、そう思ったら言葉に詰まった。私だって、彼を傷付けたいわけじゃないから。
もう既に半端な私の態度で傷付けているかもしれないのに、それ以上なんて……
『……もしね、健ちゃんが私のことを気にしてくれてるなら、そんなの大丈夫だから』
小「なにが大丈夫なん……？A分かってないやろ、斗亜が来た瞬間の自分の顔」
『顔……って、』
小「嬉しそうにすんのに、すぐ悲しそうな顔して、でもそれ隠そうとすんねん。俺やったら多分、そんな顔させられへん。すぐ分かる、」
『……そんなの、分かんないじゃん！』
「決めつけないでよ」なんて、今度は私の声が震えた。
もしも今、私が潰れてしまいそうなほどキツく抱き締めてくれたら、きっと揺らぐことなんてなかったのに。私から離れた健ちゃんは、弱々しく笑った。
小「分かる。ずっと見てたから、Aがほんまに好きなんはまだ斗亜やって、分かるで」
『……うそだよ、だって今私、健ちゃんのこと、』
目が合って、ひどく傷付いた瞳の彼に、何も言えなくなってしまった。
気が付いたらそのまま、ベッドの上に倒れていて。頭の下に添えられた手と、顔の横についた手。どちらも優しすぎて、泣きたくなんかないのに、涙が出そうで。
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流星(プロフ) - あっぷるさん» あっぷるさん、ありがとうございます（ ; ; ）私も2人が大好きで、完結までちゃんと書けてほっとしております〜！新作も執筆中ですので、もし宜しければそちらもよろしくお願いいたします！優しいお言葉、ありがとうございます！(^_^) (2022年12月8日 23時) (
レス) id: cbee6a2da8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - みすぅ〜たんさん» みすぅ〜たんさん、ありがとうございます（ ; ; ）書きたい！と思って書いていた作品をこんなふうに褒めていただき、本当に嬉しく思います！コイワズライという斗亜くんが主役のお話を執筆中ですので、もし宜しければそちらでもよろしくお願いいたします！(^_^) (2022年12月8日 23時) (レス) id: cbee6a2da8 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる(プロフ) - 完結おめでとうございます！こじとあ大好きな私には本当に最高の作品で...いつも楽しく読ませていただいてました(^^)新作が楽しみすぎて思わずコメントしちゃいました♡とっても楽しみにしてます！ (2022年12月5日 1時) (レス) @page50 id: 703ded6795 (このIDを非表示/違反報告)
みすぅ〜たん(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品を楽しみに毎日過ごしてたと言っても過言ではありません、、作者さんの素敵な言葉遣いや文字面だけでも斗亜くんや小島くんを思い浮かべられるような性格やセリフで、最高でした♡また斗亜くん主役のお話待ってます⭐︎ (2022年11月24日 2時) (レス) @page50 id: b38fd00c88 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ちいさん» ちいさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです…（ ; ; ）そちらの方も近いうちに書きたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (2022年8月24日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2022年8月3日 13時
