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貴方.
流「……そんなん、ダサいとか誰も思ってませんけど」
『え？』
流「自分でそうやって決めつけて、責め立ててるだけちゃいます？」
くりっとした大きな瞳で、じっと見つめられる。蛇に睨まれた蛙、やったっけ……流星くんは全然蛇とかちゃうし、どちらかというとウサギとかの方が似合ってるけど……まあそれくらい鋭い目つきで、私は何も言えなくなってしまった。
流「……ごめんなさい。先輩やけどこれからはもうメンバーやし、ちゃんと言わせてください」
『あ、うん……何やろ、』
流「Aちゃんが頑張ってるのを俺たちは分かってるし、今更女やからって酷いこと言ったりするような奴が一番ダサいんですよ」
『……へ』
流「これからは七人で守るから、……頼りないかもしれへんけど、もう一人ちゃうから。必要以上にプレッシャー感じて、潰されんといてください」
そう言ってくれた流星くんの表情は優しくて、勇気を振り絞って言ってくれたのか、「緊張した……」なんて顔を赤くしている。
私よりも歳下の彼が、こんなにもグループのことを考えてくれている。いつしか大ちゃんが言っていた、「流星はほんまにしっかりしてるよ」という言葉が、今になって重みを持ち始めた。一人じゃない……確かにそうやな。皆からの期待を勝手に重圧に変えて、そして勝手に潰れかけてた。
『……うん、そやね。ありがとう、何かスッキリした！』
流「ほんとですか？……それなら良かったです」
『ありがとうな、流星くん。私、まだまだセンターには相応しくないかもしれへんけど……頑張るよ』
流「……それを決めるのは、Aちゃんやなくて俺たちですから」
にこっと笑った流星くんは、「もう流星で良いですよ」と言ってくれた。お言葉に甘えて……流星と呼んでみせると、ほんの少し照れたように笑って応えてくれる。大ちゃんが溺愛するのもよく分かるくらい、流星は大人っぽいけれど、等身大の可愛らしい子だった。
『じゃあ、もう私のこともAでええよ。敬語も距離感じるし……タメで！』
流「え、ほんまに……？」
『うん、どうせならもっと仲良くなりたいし』
「あかん？」と聞けば、流星はおかしそうに笑って「それを決めるのはAでしょ？」と、もう早速呼び捨てにしてくれた。
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