57. ページ7
貴方.
ドライヤーで乾かす前に、できるだけ髪の水分を拭き取るべし。……ただ無心で髪を拭いていると、コンコンとドアがノックされる。大貴かな?忘れ物でもしたんだろうか。鍵が一つしかないのって、中々不便だよね。持って行けばよかったのになんて。
『はぁい、……えっ、』
覗き穴を覗けば、そこにいたのは涼介で。私の気配を感じ取ったのか、「開けて?」なんて可愛らしく口パクをして見せた。開けない理由も特になかったし、ただ会いたかったのもある……すぐにドアを開ければ、「ありがとう」なんて微笑まれた。
涼介を招き入れた後、すぐに鍵をかける。深い意味はないけど……二人きりだし。
涼「お風呂上がり?」
『うん、丁度上がったところだよ』
涼「そっか、……俺も入ってくれば良かったかな〜」
『まだなんだ』
こくりと頷いた涼介は、……何を考えているんだろう。あまり分からないな。
立ち話してたって仕方ない。そんなことを思ってソファの方へ誘導すると、後ろからぎゅっと抱き締められる。アメニティのシャンプーも中々甘い匂いだったのに、涼介の匂いはもっともっと甘い。香水だけとは思えないそれは、私自身がどろどろに溶かされそうだった。
涼「……はぁ、仕方ないって分かってるんだよ。俺も。頭の中ではね、ちゃんと」
『……うん、』
涼「妬いちゃうよね、何かと……不安だし、心配だし?可愛い彼女と一晩過ごして、あの大ちゃんでも変な気起こすんじゃないかって……それなりに、」
いつもより少し早口な彼は、やっぱりたまらなく愛おしい。お腹に回された手に触れると、たちまち恋人繋ぎになった。確かめるように握られるそれは、いつだって変わらない温度で。
涼「俺たちのことは皆に言ってないけど、大ちゃんのことは信用してるよ。もちろん」
『それはもう、私も』
涼「……何かあったら連絡して?絶対来るから。約束する」
『ふふ、……約束、』
振り返って向き合うと、まるで小さい子供の約束事のように、小指と小指を絡める。幼稚な約束の儀式と、真剣な表情の涼介とのアンバランスさに込み上げる笑いを堪えると、それでもどこか不服そうな唇にキスを落とした。
驚いたように目を丸くさせるのも、愛おしいばかりで。
『大貴ね、暫く戻ってこないよ』
涼「……空気読めるじゃん、大ちゃんも」
.
休み中に書き溜めておきたい一心で更新ペースとんでもなくて、申し訳ないです!
630人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流星(プロフ) - りーさん» りーさん、コメントありがとうございます。本当にお待たせしてすみません…( ; ; )楽しみにしてくださるお気持ちに応えられるよう、私なりのペースではありますが、今後も頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします! (2023年2月4日 3時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ちゅんさん» ちゅんさん、コメントありがとうございます。いつまでも応援してくださる方がいて、私は本当に幸せ者です( ; ; )お待たせいたしましたが、細々と続けて参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします! (2023年2月4日 3時) (レス) @page50 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
りー - 更新楽しみに待ってます…! (2022年8月29日 20時) (レス) id: 6a01619271 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しかったです!この作品とっても大好きです!!これからも応援してます!!! (2022年5月9日 23時) (レス) @page50 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - りーさん» りーさん、いつもありがとうございます!有り難いお言葉すぎます( ; ; )そうですね、そろそろメンバーにバレてもおかしくないですよね…(笑)入念に計画しようと思います!これからもよろしくお願いいたします! (2022年3月13日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ