あの星はきみのキスの味がした【折緒冬輝】☆リク ページ26
*
待ち合わせの場所に着くと、案の定彼は既に居た。
「ごめんね、待った?」
間に合うように家を出たつもりだったけど、慣れない下駄のせいで、少し遅れてしまったのである。
「全然。俺も今着たとこ」
彼_________冬輝は目を細めて微笑んだ。
「浴衣、めっちゃ似合ってんなあ。可愛いぜ、A」
「ほんと?ありがとう」
思わず頬が緩んだ。
鼻息荒く「折角のデートなんだからおしゃれしてきなさい!!!」と言って着付けを手伝ってくれた母に感謝感謝である。
手を繋ぎながら、がやがやと賑わうお祭りの通りを歩く。
「俺、浴衣って好きなんだよな。あと下駄もな」
「下駄も?足痛くなるのに?」
「まあ確かに履きにくいけど。からんころん、っていう音が好きなんだ」
夢見るような表情で言う冬輝の横顔に、思わずどきりとする。
「冬輝の浴衣姿も見てみたかったなぁ。絶対似合うよ!」
「そうかあ?ま、お前がそう言うなら...来年の祭りの時に着てきてやるよ。」
そう言って彼はにっと微笑んだ。
(...私が隣にいる未来を、冬輝は思い描いてくれてるんだ)
そんな深い意味で言ったわけじゃないのは分かってるけど、私は彼の言葉を、とても嬉しく思った。
楽しい時間は、あっという間に、過ぎる。
かき氷、射的、チョコバナナ、金魚すくい、たこ焼き、いか焼き、りんご飴......色んなものをふたりで食べて、遊んで、やべぇ俺もうすっからかんだわ、私も、二人で笑いあった。
神社の端から端まで歩いて全部の屋台を見終わり、時間もいい頃で、自然と足は帰路に向かっていた。
ふいに、冬輝が呟いた。
「...A。ちょっとだけ、寄り道してもいいか?」
私はすぐに頷いた。
「うん!...まだ、冬輝と一緒に居たい」
彼はふっと口元を緩めた。
「よし。じゃあ行くぞ」
「どこに?」
「二人きりになれるとこ」
そう言って、冬輝はいたずらっぽく笑った。
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チェレステ(プロフ) - 杳覇さん» 私も杳覇さんが大好きです〜〜〜!!(号泣)鬱陶しいなんてとんでもないです!これからも気が向いたら気軽にコメントしちゃってください!続編の方でもどうぞよろしくお願いします!(*´∀`*) (2020年5月16日 18時) (レス) id: 2dc5e30747 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 豪炎寺くんが最初っから最後までカッコ良すぎる大好きですこのお話!!!ひえええ次回最終回!?ううっ…楽しみに待ってます(´;ω;`) 短期間で三度目のコメントすみません…!!鬱陶しくなったらいくらでも無視して下さって構いませんので!!チェレステさん大好きd(( (2020年5月14日 20時) (レス) id: 14ae3b839b (このIDを非表示/違反報告)
チェレステ(プロフ) - 杳覇さん» あああ二度もコメントをしてくださりありがとうございます!!とても励みになります(号泣)貴方様のような素敵な読者に楽しでもらえるような執筆を目指してこれからも頑張ります!!どうぞよろしくお願いします!!! (2020年5月14日 11時) (レス) id: 2dc5e30747 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - ああああ豪炎寺くんすでに最高っ…!!すみません感情が昂ってしまい思わずコメントしてしまいました……!!続きが凄く楽しみです!!ずっと応援しています!! (2020年5月12日 22時) (レス) id: 14ae3b839b (このIDを非表示/違反報告)
チェレステ(プロフ) - 杳覇さん» まだ見てくださっている方がいらっしゃったとは…!!!感謝感激です!!ありがとうございます更新頑張ります!!! (2020年5月9日 10時) (レス) id: 2dc5e30747 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チェレステ | 作成日時:2018年6月11日 21時