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*
病院を出て、Aちゃんと並んで歩き始める。
「いいお母さんだね」
僕はしみじみと言った。
「......うん。女手一つで私を育ててくれた、強い人だよ」
彼女もしんみりとした口調で呟いた。
手を顎に当てて、真剣に考える。
どうやったら、彼女の精神が肉体に戻れるのか。
ありとあらゆることを試してみたと言っていたが...まだ他にやっていないことがあるかもしれない。
「...あの、野坂くん」
そう言おうと顔を上げると、彼女も何やら決意を固めた表情で、僕を見ていた。
「野坂くんて...今、彼女いる？」
突拍子な発言に、僕は目を丸くする。
「いないけど…どうして？」
「...笑わない？」
頷くと、彼女はしどろもどろになりながら言った。
「さっき、お母さんが言ってたじゃない？...お、王子様の...キ、キスで起こしてもらおう、って」
「ああ、うん...って、え？まさか」
「今日あったばっかりの人間に、い、嫌だと思うけど...わ、私に！キスしてくれませんか！！」
彼女は真っ赤な顔で叫んだ。
その瞳には、並々ならぬ強い意志が宿っていた。
僕は面食らった。
身体に戻る可能性があるならどんなことでもしたい、という気持ちは分かるけれど_________そんなに簡単に________男に触れさせてもいいのか、と思った。
「...Aちゃんは、嫌じゃないの？」
「私、こんなに自然に男の子と喋れたの、野坂くんが初めてなの...だから、平気。」
彼女が真剣な顔で言う。が、すぐに慌てた声を出した。
「ご、ごめんね！野坂くんの気持ちも考えずに...やっぱり嫌だよね。忘れて！」
......僕の気持ち......か。
僕はふっと口元を緩めた。
「行こう」
「え、行くって...どこに...？」
戸惑うAちゃんに、僕は笑って言った。
「Aちゃんの病室に決まってるでしょ」
彼女は目を見開いて、そして泣きそうな表情で小さくありがとう、と言った。
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チェレステ(プロフ) - 杳覇さん» 私も杳覇さんが大好きです〜〜〜！！（号泣）鬱陶しいなんてとんでもないです！これからも気が向いたら気軽にコメントしちゃってください！続編の方でもどうぞよろしくお願いします！(*´∀｀*) (2020年5月16日 18時) (
レス) id: 2dc5e30747 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 豪炎寺くんが最初っから最後までカッコ良すぎる大好きですこのお話！！！ひえええ次回最終回！？ううっ…楽しみに待ってます(´；ω；`) 短期間で三度目のコメントすみません…！！鬱陶しくなったらいくらでも無視して下さって構いませんので！！チェレステさん大好きd(( (2020年5月14日 20時) (レス) id: 14ae3b839b (このIDを非表示/違反報告)
チェレステ(プロフ) - 杳覇さん» あああ二度もコメントをしてくださりありがとうございます！！とても励みになります(号泣)貴方様のような素敵な読者に楽しでもらえるような執筆を目指してこれからも頑張ります！！どうぞよろしくお願いします！！！ (2020年5月14日 11時) (レス) id: 2dc5e30747 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - ああああ豪炎寺くんすでに最高っ…！！すみません感情が昂ってしまい思わずコメントしてしまいました……！！続きが凄く楽しみです！！ずっと応援しています！！ (2020年5月12日 22時) (レス) id: 14ae3b839b (このIDを非表示/違反報告)
チェレステ(プロフ) - 杳覇さん» まだ見てくださっている方がいらっしゃったとは…！！！感謝感激です！！ありがとうございます更新頑張ります！！！ (2020年5月9日 10時) (レス) id: 2dc5e30747 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェレステ | 作成日時：2018年6月11日 21時
