勿忘草 (ページ15)

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「…え、海？…なんで、なんもないよ」

拓「嘘。海の彼女が来たらいつも暗くなるし、あの2人見かけると明らかに落ち込むじゃん。バレてないと思ってる方がおかしい」

なんか、るなにも同じような事言われたな。

私、そんなに分かりやすいのかな。

そんなに分かりやすいなら、いっそこの無駄な感情、海にバレてたりしないかな。

拓「…別に言いたくないなら無理に聞かないけど」

そう言って、荷物を持って立ち上がった拓弥くんを無意識に止めてた。

拓「……」

さくらには、まだ海の元カノだって話してない。

特に意味はないんだけど、私が海を好きって言うことだけ知ってれば別にいいかなって思ってた。

さくらも、それ以上聞いてこなかったし、これでいいと思ってた。

でも…

私と海は、やっぱりどうしてもそれ以上の事があるわけで。

私がこんなにも海に執着するのは、それなりの理由があるわけで。

私の味方をしてくれる2人に、いつまでも黙ってるわけにはいかない。

「…明日っ」

拓「明日…？」

「うん、明日。講義終わったら大学近くのファミレスね。」

拓「……分かった。じゃ、気を付けて帰れよ」

明日。

明日、私と海の関係を拓弥くんとさくらに話す。

そんなに深刻なことじゃないのに、なんでこんな謎の緊張感があるのか訳が分からなかった。

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