三十八章ー緊張のほぐし方ー ページ47
数日後。
休日の日に、俺は(見事小太郎の策略通りに)花陽と駅で待ち合わせをしていた。
A「むう…どうしたものか」
実際、恋をしたからといって痩せるとは思わない。そもそも花陽が恋をするというネタで俺を誘ったのは、あいつ自身が俺に惚れているという話なのだろう。それについては既に思考済みだ。
だがその後である。痩せなきゃ意味がないんだよ。どうするんだよ。
やはり速攻で痩せるなど不可能か…などと考えていると、パタパタと駆けてくる音が聞こえた。
花陽「あ…Aさん。おはようございます」
A「ん？ああ。…おは…」
言いかけて、言葉が止まる。
いつものフード付きのトレーナーやらジャージ姿は見慣れたものの…そうか。花陽が本気で服選びするとこうなるのか。
A「む。まぁ、いいのではないか」
花陽「え？なにか言いましたか？」
A「あー、いや。なんでもない。さぁ行くとしよう」
俺はその光景を目に焼き付けてから、花陽の手を引いて駅へと入る。
手を繋ぐ、というアクションはにこで慣れた。問題はないッ！
…はずなのだが。
花陽「っ…！っ…！っ…！」
A「あー…花陽。もう少し肩の力抜いたらどうだ？」
流石にこの上がり方は見てられなかった。
顔をゆでダコのように赤く染め、今にも爆発しそうなくらいに熱くなっている。
おまけに握ってる手がカタカタ震えている。
A「はぁ…全く。まぁいい。情けないぞ花陽。それでも深淵なる闇を宿した媒体なのか？」
花陽「〜〜〜っ！……え？」
俺の言葉に花陽がキョトンとする。
A「フッ…新たなる世界線で混乱するのは分らんでもないな。だが、この俺がここにいる。なにも臆することはないぞ」
花陽「え…はい…？」
完全に話の内容が分かっていないのだろう。
それでも構わず俺は続ける。
A「さぁ行くぞ！次なる戦いへ！」
花陽「あ、えと…はい？」
繋いでいない方の手をかがげて、大衆の面前でも構わず声を張り上げる。
少したって、我に返った花陽が恥ずかしそうに目を伏せる。
俺はそれを覗き込むようにして、花陽に話しかけてやった。
A「どうだ。先程の緊張など、恥ずかしさで吹き飛んだだろうが」
花陽「た、確かに吹き飛びましたけど…」
顔を染めて納得のいってないような顔をしている花陽の頭をガシガシと撫でる。
A「ほら。行くぞ？」
花陽「…はいっ」
俺は、改めて花陽を連れて、駅の改札を通った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菊(プロフ) - こちらでも生存報告しておきます。私生活多忙のため、続編を書けていないこと、誠に申し訳ございません。完結まではもっていくつもりですので、どうか長い目で見守ってください (2015年5月13日 18時) (
レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 何とか生存しててよかったです。無理しないで頑張ってください (2015年3月6日 21時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - うえぽんさん» 一応生存報告をw学校でテスト中でして製作止まってますw復帰は2日後か3日後となります… (2015年3月6日 7時) (レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 続編ファイトだよ！ (2015年3月5日 20時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 自分もミューズのメンバーはすきだけど、ことりと花陽が好きですね。更新お疲れ様です♪ (2015年3月2日 20時) (レス) id: 52f8adeea0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菊 | 作成日時：2015年1月12日 13時
