十五章ー救いー ページ19
A「……」
さて、どうしたものか。
にこは5人くらいの男に囲まれている。こちらから顔は伺えないが、おそらく男どもの顔は下衆な笑みが浮かんでいることだろう。
全員、まだ俺には気付いていないようだ。
俺は[集中]を使用し、先の未来を思考する。
…間違いなく、にこがやばい。
平和的な解決その1。
警察に頼る。
問題点。呼びに行っている間に、にこになにがあるか分かったもんじゃない。
その2。
金で解決。
問題点。何より今の俺の財布の中身は1200円。
その3。
必殺奥義『土下座』
問題点。問題しかない。
それ以外の未来は…ほぼ全て。
A「暴力沙汰確定だ…」
言っちゃあれだが、俺は喧嘩が非常に弱い。闇の力とか、終末の剣だとか。そういうのがあれば話は別だが。
A「ぐぬぅ…」
図らずも唸ってしまう。どうしよう。どの未来もやばい未来だ。
などと考えていると、下から声が聞こえてきた。声の主は…よくわからん男。
*「このままこの子の泣き顔見ててもイイけどよ…あんまもたついてっと、誰か来るぜ?」
すると、今度は違う声が聞こえてくる。
*「そうだな…後はとっとと袋にでも詰め込めば連れてけるだろうしなぁ」
その言葉に、にこと思われるか細い声が息を飲むのが聞こえる。
…迷ってる暇なし。…突入を選択ッ!!
A「フーッハハハハ!!何をしてるのかとさっきから見ていれば、人の風上にもおけん奴らめが!」
俺は全力で声を張り上げ、ガンッと階段のてすりに足を乗せ、ビシッとポーズを決める。
*「…気づかれたな」
が、そんなのに動じもせずに、男達は顔を見合わせている。
*「あいつも連れてって脅せば終わりだな」
なんか物騒なこと言ってるぞ!?
A「にこ!」
負けじと俺は声を張る。にこは俺を見て、顔を歪めて泣き出してしまっていた。全く、本当になにをやっとるんだお前は…。
A「ふん…」
その顔を見た瞬間、俺の中の恐怖は、自然となくなってしまっていた。
俺はピョンと、階段を飛び降りて、踊り場に着地する。
男達は、俺を高圧的に睨んできている。俺はそれに睨み返すことはせず、いそいそと、『眼帯』と『指ぬきグローブ』を装着する。
A「にこ、そこにいてくれ」
にこ「…うん」
俺は、全ての準備を整えると、軽く息を吐いた。
A「我が名は鳥丸A。人類最強の…能力者だ」
*「そうかよっ!」
俺は向かってくる男を見ながら、ゆっくりと…。
意識を、集中の中へと飛ばした!
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菊(プロフ) - こちらでも生存報告しておきます。私生活多忙のため、続編を書けていないこと、誠に申し訳ございません。完結まではもっていくつもりですので、どうか長い目で見守ってください (2015年5月13日 18時) (レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 何とか生存しててよかったです。無理しないで頑張ってください (2015年3月6日 21時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - うえぽんさん» 一応生存報告をw学校でテスト中でして製作止まってますw復帰は2日後か3日後となります… (2015年3月6日 7時) (レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 続編ファイトだよ! (2015年3月5日 20時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 自分もミューズのメンバーはすきだけど、ことりと花陽が好きですね。更新お疲れ様です♪ (2015年3月2日 20時) (レス) id: 52f8adeea0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菊 | 作成日時:2015年1月12日 13時