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医局で待てど暮らせど樹は戻ってこない。


パソコンで診察状況を確認しようと

【内科/藤原】をクリックする。


診察待ちの患者が残っていて

樹はまだ診察室にいるみたいだ。



定時で仕事をなんとかやり終えたものの

樹を待とうにも終業時間が読めない。


しかし一人で家に帰れる体力は残っておらず

樹に甘えるしかない。


先に着替えようと向かった更衣室の簡易的な椅子に体を預けた。


ふら〜っと意識が遠のいていく感覚。

抗おうにも、疲労と睡魔には勝てなかった。






pipipipi-----------



樹「あ、目が合った」

おはよう、と少しかすれた樹の声が頭の上から降ってきた。


あまり状況が掴めていないまま

脇に挟まれていた体温計が抜かれた。


樹「38.0℃。熱上がってきたな」

と、眉毛を下げながら

困ったように苦笑いを浮かべた。



樹「顔横に向けれる?あーって口開けて」


そんなこと恥ずかしくて出来ない。

フルフルと首を横に振って拒む。



樹「俺の真似して。あーーーって」


普段クールな樹が、大きな口を開けて

ほら早く、と照れながら促すもんだから

そんな樹に誘われて口を開けた。


樹「もう少し大きく開けれる?うん、そうそう」


頬に添えられた手がゆっくりと撫でる。


頑張って大きく開けると

口の中を覗き込んだ樹が


樹「赤くなって腫れてる。物飲み込んだら痛い?」


「うどんもちょっと辛かった」


樹「そっか。ちょっと炎症起こしちゃってる」



頬に添えられていた手が下がって

首のリンパ節で止まり

樹の細い指が、確かめるように触れた。



樹の一挙手一投足に鼓動がざわつく。

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Mei - 読んですぐ『好きなやつ!』ってなりました。ガッツリ医療系ではないのですが、私自身少し医療分野に関わる実習に行っていたこともあり、共感する部分も多くありました。これからも楽しみにしてます! (2019年11月8日 1時) (レス) id: 6c146f9d58 (このIDを非表示/違反報告)
To(プロフ) - すごく胸キュンでした…占ツクの中で一番好きな小説になりました!!いつきくん最高でした…。またこ の続編やファンタ(なっちゃん)のドクターシリーズも読みたいです。 (2019年11月8日 0時) (レス) id: 55722799bd (このIDを非表示/違反報告)
yuki - このお話めっちゃ好きです!!この3人のお話がもっとみたいです!続編希望です! (2019年10月26日 18時) (レス) id: 02ed079c97 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ドクターシリーズすごく好きです!続編見たいです! (2019年10月25日 18時) (レス) id: 3a12b44223 (このIDを非表示/違反報告)
桃の木m r i(プロフ) - 面白かったです!ずっと読みたいです!続編を望みます!主人公の体調不良多めで笑倒れたりとか?緊急事態になったりとか? (2019年10月25日 16時) (レス) id: ce5b46e04d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやあ | 作成日時:2019年10月12日 14時

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