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診察室に入ってすぐ


細くて長い指が頬に添えられて

瞼を下げられ、至近距離で覗き込まれる。


一気に顔が熱くなって

発赤がばれないように俯いた。


樹「ふっ、照れんなよ」


大きな手で頭を雑に撫でられた。


樹「点滴打った方がいいと思うけど」


「仕事残ってるから薬だけ頂戴」


樹「わがまま」

Aらしいな、って樹の口角がニヤリと上がった。



仕事を自ら断念することは考えられない。

こんな私を樹は理解してくれている。


樹「診察終わったら医局戻るから。無理すんな」


心配そうな目線が向けられる。


「ありがとう。心配しないで」


樹「休憩終わるまで寝たら?俺もここでカルテ書くから」


簡易ベッドに促されて

足から肩まですっぽりと覆ってしまう白衣を掛けられた。


白衣を顔の近くまで引き上げて

樹の匂いをスーッと吸い込んだ。


パソコンに向き合う樹の猫背気味な後ろ姿からは

少し気怠い雰囲気を感じる。


カルテ入力の心地良い音に意識が遠のいていった。






樹「A、A....」


トントンと肩を叩かれて、ゆっくりと目を開ける。



「わぁっ。びっくりした」


樹「ふふっ、」


目を開けると、鼻と鼻がくっつきそうな距離に樹がいて

悪戯な笑みを浮かべていた。


何だかんだで、樹も照れてる。



樹「医局まで送る」


「1人で大丈夫だよ。ありがとう」


樹と並んで院内を歩くなんて

とんだ見物になってしまう。



樹からホットミルクティーを受け取って

そんな温かい心遣いに包まれながらそこで別れた。

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Mei - 読んですぐ『好きなやつ!』ってなりました。ガッツリ医療系ではないのですが、私自身少し医療分野に関わる実習に行っていたこともあり、共感する部分も多くありました。これからも楽しみにしてます! (2019年11月8日 1時) (レス) id: 6c146f9d58 (このIDを非表示/違反報告)
To(プロフ) - すごく胸キュンでした…占ツクの中で一番好きな小説になりました!!いつきくん最高でした…。またこ の続編やファンタ(なっちゃん)のドクターシリーズも読みたいです。 (2019年11月8日 0時) (レス) id: 55722799bd (このIDを非表示/違反報告)
yuki - このお話めっちゃ好きです!!この3人のお話がもっとみたいです!続編希望です! (2019年10月26日 18時) (レス) id: 02ed079c97 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ドクターシリーズすごく好きです!続編見たいです! (2019年10月25日 18時) (レス) id: 3a12b44223 (このIDを非表示/違反報告)
桃の木m r i(プロフ) - 面白かったです!ずっと読みたいです!続編を望みます!主人公の体調不良多めで笑倒れたりとか?緊急事態になったりとか? (2019年10月25日 16時) (レス) id: ce5b46e04d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやあ | 作成日時:2019年10月12日 14時

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