平和の象徴の相棒は死んだが転生｡元教え子達に会いに行く〈ヒロアカ〉

スタートライン､爆豪の｡ ページ35

張り切って出久はそう言ったもののすぐにヘタレな表情に逆戻り

緑谷｢…ぼ､ぼぼ僕はな､ななな何を言って…！！｣

A｢出久らしいというか何と言うか…カバン持ってあげるからさっさと帰りますか｣

カバンと出久のリュックサックを持ち教室を出た

出久が追い掛けてきて私の隣に立つ

しばらく無言で歩く

A｢こうやって2人で帰るのも久々だね｣

緑谷｢そうだね｡いつもかっちゃんがAちゃんの横にいて僕はその後ろにいた感じだったから…｣

A｢そうだね｣

珍しく会話が続かない

いつもならペラペラ話してくるけど今日は何か考え込んでいる様子だ

緑谷｢…引越しはいつするの？｣

A｢早くて今日､遅くて今月中かな｣

緑谷｢そっか…｣

A｢そんな残念そうにしなくても途中までなら一緒に帰れるよ｣

緑谷｢そ､そうだよね！｣

出久は嬉しそうに頬を搔くがすぐに真剣な表情を浮かべた

緑谷｢あのねAちゃん｣

優｢何？｣

緑谷｢僕には“個性”がある｣

A｢うん｣

緑谷｢でもそれは人から授かった“個性”なんだ！誰かからは絶対言えない！…コミックみたいな話だと思うかも知れないけど本当の話で…おまけにまだろくに扱えもしなくて…全然モノに出来てない状態の“借り物”で…！だからその…Aちゃんとかっちゃんを騙してた訳じゃないけど言わなくてごめん！！！｣

立ち止まって私に思い切り頭を下げる出久

A｢そっか｡話してくれてありがとう…それ勝己に言ったの？｣

緑谷｢う､うん…｣

A｢ならいいや｡君が授かり物でも“個性”が使えるようになったなら私はそれでいいよ｣

緑谷｢お､怒らないの？｣

A｢怒るわけないでしょ｡むしろ嬉しいよ｣

緑谷｢え｣

A｢出久が小さい頃から夢見てた憧れのヒーローにまた1歩近付いたんだから｡その“個性”を自分のモノに出来るよう頑張ってね｡応援してる｣

そう言って微笑むと出久は涙を流した

緑谷｢うん！！！！あ､あとAちゃんオールマイトとの戦闘どうだった！？｣

A｢あーそれはね＿＿｣

普段の出久に戻り今日は楽しく帰ることが出来た

家に帰り荷造りを終わらせ明日のお弁当の準備をする

A(さぁここからが彼らのスタートライン｡どう成長していくのか見ものだね……俊典が個性を出久に譲渡したってことは今よりも活動時間が日に日に短くなってるという事…平和の象徴がいなくなれば世間は混乱するだろう…早めに対策しておかないと)

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