【BL オリジナル】間違えても愛 (ページ13)

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平行線ページ13

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少し温かみを帯びた春の風が、頬を撫でた。

チラチラと輝く木漏れ日に目を細めながら、歩みを進める。

風に交じる桜の匂いを感じながら、相川瀬成(あいかわせな)は手元の携帯を取り出した。見るとLINEが一件。

『今日の夜ヒマ？』

旧友からのメッセージに、片手で返信を打つ。

『うん。特に用事はないよ。』

送信するとすぐに既読がついた。

『悪いんだけど、合コン付き合ってくんない...？』

相川は綺麗な形の眉を寄せた。

なぜ僕が...面倒くさいし、関心もない。メッセージを見て即座に断ろうと決める。
”行かない。”と打とうと、画面に触れた瞬間、それを阻止するかのように新たなメッセージが画面に浮かぶ。

『お前が好きそうな顔したやつも来るし！』

ふっと一瞬手が止まる。断りの返事の代わりを打った。

『どんな顔だよ。』

『王道のTHEイケメンって感じ。性格も普通にいいやつだぞ^^』

その返事を見て頭のなかで考えを巡らす。

少し思案してから＿＿

『分かった、行くよ。』

『おお！さんきゅ！助かったわー』

『貸しだからね。いや、僕は悠太に貸しを作りすぎてるような気がするんだけど...？』

『今度晩飯奢らせていただきます。』

『よろしく。』

満足な返事にふっと笑みをこぼしてから、スマホを閉じる。ポケットにそれを仕舞いながら、また歩き出すと、ズキッと腰が痛んだ。

「...昨日のあの人...、二回目はないな。」

ため息とともにそう呟いて、今度はゆっくりと歩き出した。

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