検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:236,498 hit

策に、落ちる ページ45









駄々をこねていた神威を何とか説き伏せて、漸く広い豪邸を心置きなく広々と使えるーーと歓喜したのもつかの間。

私は直ぐに異変に気が付いた。





「(神威が……何も言ってこない)」





言ってこない事自体に不満がある訳ではなく。寧ろ若干自重するべきだとは思っていたので、丁度いいのかもしれないのだが。


何だか、妙に意図をもって会話を抑えられているというか…とにかく、思った事をすぐに出すタイプの神威に対して、味わったことのない感覚なのだ。だから余計に、不安に感じる。





「(そんなに無理言ったつもりは無かったんだけど)」






たかだか一緒に寝るか寝ないかの話であって、夫婦あるあるのもっと深い話のいざこざではない。だからそれくらいは…と私は割と軽く考えていた。


でも、神威にとっては重要なことだったのだろうか?
…いやいや、重要なことだったのなら尚更あんな程度で彼奴が食い下がるはずがない。若しかしたら、何か策でもあるのだろうか。



ーーなんて、モヤモヤその事ばかり考えている時点で、神威(阿伏兎)の作戦に嵌ってしまっているなんて事は微塵も知らず。

私はひとりうんうんと唸っていた。






「あの〜、卯月副隊長…」

「あっはい!何でしょう」

「この書類はどうしたら……」

「あ〜〜それは隊長の印が必要なので、私が預かって置きますね。もう大丈夫ですよ」

「分かりました、ありがとうございます!」





書類を手渡した平隊士が出ていくのを見届けて、私はそっとため息を吐く。


ーーいけない。屯所に居て…しかも仕事中だというのに何だこの体たらくは。これじゃ、神威に偉そうに仕事しろだなんて言えないじゃないか。


両頬を軽く叩いて気合を入れなおし、再び書類に向き直った。

天才的な上昇→←押して駄目なら何とやら



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (384 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1324人がお気に入り
設定タグ:神威 , 銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

頑張ってください - ああああああああ久々に読んだら進んでてまた神威熱が… (2020年1月6日 1時) (レス) id: ac6d87c707 (このIDを非表示/違反報告)
自己満者 - 京篇凄い良くて、泣いちゃいました(笑)更新頑張って下さい! (2019年8月17日 15時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - むくさん» コメントありがとうございます。時間をかけて丁寧に書いたシーンなのでそう言っていただけるととても光栄です!これからもよろしくお願い致します。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 765bdcb728 (このIDを非表示/違反報告)
むく(プロフ) - 求婚シーンめっちゃ好きです〜!! (2019年5月25日 23時) (レス) id: 3bb4d6b7d5 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - 匿名さん» 初めまして!そう言っていただけてとても嬉しいです。神威くんのイケメン台詞は割と心の声の方が潜んでいたりします笑これからもよろしくお願いします!コメントありがとうございました! (2019年4月29日 20時) (レス) id: d60993068d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:陽奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ryosukehar1/  
作成日時:2019年1月8日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。