【銀魂】せーりゃくけっこん°

ーー人間？ ページ40

・

サイド無し


*






ーーコツ、コツ、コツ……と、疎らな足音が薄暗い響く。

やがてそれはピタリと止まり、ギィーーと開かれた扉の向こうに広がる光の中に、影は入って行く。






｢これはこれは！お待ちしておりました。ささっ、どうぞ此方へ｣

｢……｣







正しくゴマをするように媚びへつらう笑みを浮かべながら、元々中にいた天人は、影を座席へと誘導する。

その態度に、何を口にする訳でもなく、影は黙って腰を下ろした。







｢……早速ですが、今回の商談もご快諾頂けたという事でよろしいでしょうか？｣

｢構わない｣

｢おお！流石でございますね！いつも誠にありがとうございます｣

｢……｣








何度もぺこぺこと頭を下げ、手を擦ってにこにこと笑みを浮かべる天人に対して、必要以上の事は喋ろうとしない影。

その影が、口を開く。







｢……一つ、気になる噂が耳に入った。貴殿らの一師団長が婚姻したらしいな｣

｢ええ！確か……第七師団の神威、でしたな｣

｢相手は、地球の女侍と聞いているが？｣

｢その通りでございます。人間と婚姻するなど、奴も堕ちたものですよ、全く｣








｢だいたい……｣と続けて神威の愚痴を述べる天人を放置し、影はにやりと口角を上げた。








｢……人間、か。果たしてそうかな？｣

何でも喜ぶと思ったら大間違い→←私が出来る事

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す