馬鹿ふたり ページ33
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「…そ、れって……つまり……」
神威は今、モヤを吹き飛ばす最適解を口にした。けれど、それは容易に信じ難いもので、耳を疑いながら、問い掛ける。
すると神威は、「…仕方ないなぁ」とその端正な顔を一層近づけた。
「もっとハッキリ言ってやるよ。俺は、Aに惚れてる。宇宙で一番、愛して、殺したいくらいに」
神威の言葉のひとつひとつが、脳に響いて落ちてゆく。それをゆっくりと、噛み締めて。
漸く開いた口から漏れたのは…
「……は、はは…何、それ…」
ーー笑い声。
神威は、訝しげな顔をするけれど。
「…確かに、アンタの言う通り、私の方が馬鹿かもしれない。だってそうでしょ?神威みたいに、殺す事しか頭に無いような馬鹿を、私も好いてるんだから」
惚れた相手に殺したい、だなんて。どう考えたって、愛してると並べて使う言葉じゃない。
ーー普通じゃない。だけれども、どんな言葉よりも神威らしい。
そしてそんな普通じゃない男に惚れている私も、とことん普通とは程遠い。
「……はは、なんだ。やっぱりAも、馬鹿なんじゃないか」
私の返答を聞いた神威も、おかしかったのか、自然に笑う。
私も馬鹿で、神威も馬鹿。
初めっから、きっとそれで良かったのだと、私は思った。
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頑張ってください - ああああああああ久々に読んだら進んでてまた神威熱が… (2020年1月6日 1時) (レス) id: ac6d87c707 (このIDを非表示/違反報告)
自己満者 - 京篇凄い良くて、泣いちゃいました(笑)更新頑張って下さい! (2019年8月17日 15時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - むくさん» コメントありがとうございます。時間をかけて丁寧に書いたシーンなのでそう言っていただけるととても光栄です!これからもよろしくお願い致します。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 765bdcb728 (このIDを非表示/違反報告)
むく(プロフ) - 求婚シーンめっちゃ好きです〜!! (2019年5月25日 23時) (レス) id: 3bb4d6b7d5 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - 匿名さん» 初めまして!そう言っていただけてとても嬉しいです。神威くんのイケメン台詞は割と心の声の方が潜んでいたりします笑これからもよろしくお願いします!コメントありがとうございました! (2019年4月29日 20時) (レス) id: d60993068d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:陽奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ryosukehar1/
作成日時:2019年1月8日 17時