検索窓
今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:236,501 hit

キミなら分かる ページ30











当然のように神威はそれに答えず、代わりに総悟が口を開く。此奴もやはり、私に対してではないけれど。








「なら教えなせェ。浪士共にこの馬鹿女が拐かされた時、てめェが助けに来たのは何故でィ」








ーーどうしてそんな事聞くの。


また、そんな言葉が口から飛び出しそうだったけれど、辛うじて押し留まる。どれも私に放たれた質問ではないし、どうにも私が入れる雰囲気ではない。

この二人がいつの間にこんな言葉を交わすような間柄になったのかは知らないが、私だけおいてけぼりだった。








「…貴重な手応えのある相手を失いたくないから」







予想通りの、いつも通りの神威の答えに、嬉しいような悲しいような複雑な思いに胸を苛まれていると。








「ーーって以前の俺なら迷い無く答えていただろうけど。違うよ、今は」

「……」

「!」








予想だにしないことを言い出して、また、神威を見上げるが、視線が交わることはない。

淡く笑みを浮かべながら、総悟を見据えたままだ。









「それに、キミもこんな答えじゃ引き下がるつもりは無さそうだし。…俺があの時動いたのは……俺自身の、最も“くだらない”感情のせいさ」







ーー分かるだろ?キミなら。


…と、やっぱり私にはよく理解出来ないことばかり言う。総悟が尋ねたことに対して、答えになっているのかも分からない、そんな言葉。








「…フン、当たり前でィ。この世の誰よりも、な。だからこそ………」








そう言いかけて初めて総悟は私をちゃんと見たけれど。その視線は直ぐに逸らされ、そのまま身体ごと向きを変えてしまう。








「…やっぱなんもねェや。……あァ、あともう一つ」







このまま去るつもりなのかと、手を伸ばし掛けて、総悟が踏みとどまったことで、私も止まる。

掌が宙を掴んだ。

何が何だか→←青と赤の対峙



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (384 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1324人がお気に入り
設定タグ:神威 , 銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

頑張ってください - ああああああああ久々に読んだら進んでてまた神威熱が… (2020年1月6日 1時) (レス) id: ac6d87c707 (このIDを非表示/違反報告)
自己満者 - 京篇凄い良くて、泣いちゃいました(笑)更新頑張って下さい! (2019年8月17日 15時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - むくさん» コメントありがとうございます。時間をかけて丁寧に書いたシーンなのでそう言っていただけるととても光栄です!これからもよろしくお願い致します。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 765bdcb728 (このIDを非表示/違反報告)
むく(プロフ) - 求婚シーンめっちゃ好きです〜!! (2019年5月25日 23時) (レス) id: 3bb4d6b7d5 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - 匿名さん» 初めまして!そう言っていただけてとても嬉しいです。神威くんのイケメン台詞は割と心の声の方が潜んでいたりします笑これからもよろしくお願いします!コメントありがとうございました! (2019年4月29日 20時) (レス) id: d60993068d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:陽奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ryosukehar1/  
作成日時:2019年1月8日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。