【銀魂】せーりゃくけっこん°

動き出す栗と銀 ページ12

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沖田








｢(…これ以上は、屯所じゃどうしようもねェな)｣





真選組一番隊隊長という肩書きを活かして、その後も調べを続行していたが、やはり屯所にある資料は大したものでは無かった。

別に真選組は『対春雨』で作られた組織では無いのだ。そんなに詳しい書類などある筈もなかった。


それに、これ以上屯所内で秘密裏に調査を続ける事も難しくなってきた。カンの鋭い土方の事だ。次期、俺が何かを調べている事に気が付くだろう。






｢(大事にする訳にもいかねェ)｣






Aが裏切っている可能性は低いとは言え、それが隊内に知れれば彼奴の立場が無くなってしまう。

けれど、俺の力ではこれ以上の事には触れる事は出来ない。


ーーそんな時、ふと大通りを歩く人影を見つけた。






｢(……あれは、Aが呼び出された時の)｣






結婚の直前、何故か一人で呼び出しを食らったA。あれは、俺も土方も不思議に思っていた事だ。

……考え過ぎかもしれないが、何もしないよりはずっと良い。







｢…すいやせん。ちと、尋ねたい事があるんですがねィ｣









＊









｢(……黒に限りなく近いグレーってとこだな)｣






まずA、神威、春雨という単語を適当なタイミングで出し、最後に何かあるんじゃないかと疑っている事を暗に示した。上手く誤魔化しているつもりだろうが、その時だけやけに声が上ずっていたのを聞き逃してはいない。

これで、謀反という線はほぼ消えたと言っても良いだろう。政府に脅されたか、春雨に脅されたか、或いは両方か。







｢…お前、総一郎くんだよな。何やってんの？頭なんか下げてよ｣






そんな俺の思考を断ち切ったのは、何処までも気だるげな男の声だった。

決定打→←狡い男

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