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ep.4 ページ4

しまった断りそびれてしまった。
ハッと扉に目を向けた頃には時すでに遅い。



『仕方ないわね』

どうせ夕飯までは時間がある。
全て捌き切っても30人ほどの食事なら
私なら2時間もいらないだろう。

そのまま観戦席まで歩いて行き
彼らの試合を見ることにした。
サッカーといえば、ペナルティエリアがあることと、
手を使ってはいけないことくらいしかわからない。


ペナルティエリアで相手のラインよりも後ろでボールを受け取るとオフサイド、だっけ。
じ、とその試合を眺めていたけれど
案外時間を要さずにブルーロックチームは敗退した。


『(当たり前だ。素人目に技術の差が大きくわかった。
何をどうしているかも分からない。勝ち筋も見えない。
あんなもの駆け出しの料理人がシェフを任されるようなものだわ。)』



海外の人は、体の作りも違うのだし。



ーー


『タンパク質は赤身、バルサミコと赤ワインのソースで...
付け合わせにジャガイモ、ブロッコリー、
卵はスープに、あとはーー』


スープはなるべく水は入れない。
野菜だけの水分で出そう。
なるべく栄養を落とさないような調理工程で。

ルーシュ(おたま)を取りに行こうと振り返った先には
壁に肩を預けた糸師の姿。無視をしようと思ったけれど、
あちら側を通らないとルーシュは取りに行けない。


「おい」


そそくさとルーシュだけを取った私に
やはり彼は用があるらしく不機嫌そうな声をぶつけてきた。


『...料理の邪魔なので後にしてくれますか』

「ほとんどできてんだろ」

『少し目を離しただけで味も鮮度も変わります』


糸師に目もくれない私に彼は苛立ちを隠さず
私の手首を握った。また手首ーー


『ちょっと!先ほどからなんなんですか!
手は料理人の命なんです、気安く触らないで!』

「黙れ、俺は今イラついてんだよ」

『は、はぁ...!?それと私になんの関係がーーんっ、う!?』


糸師凛の背は186cm
私の背は160cm

およそ26cmの身長差が今0距離になる。
彼の肩口にに顔面を抑えられて抱きしめられてるのだと
気づくまでに数秒時間を要した。


何この人!?
全然人の話聞かない!!!


『なに、すん、ですか!!』

「イラついてんだからこれくらい、いいだろ」

『良くないです。何考えてんですか!』


そのままグイグイと彼の背中を押し返して厨房から追い出した。その顔はおもちゃを取られたような子供の顔だ。

糸師凛、高校一年生

年下の癖に生意気だわ

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きゅんた(プロフ) - たるとさん» 初コメありがとうございます〜!誤字ってますね〜!指摘ありがとうございます♡主人公総受けなんでまだまだ関係拗れていったらいいなあ〜!!! (2023年1月30日 2時) (レス) @page17 id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
たると(プロフ) - 初コメ失礼します!!いつも楽しく読ませてもらってます!!玲王との展開も楽しみですしカイザーとの関係最高すぎます〜!!あと少し気になってしまったのですがティラピスじゃなくてピラティスな気がします!!細かくてすみません汗 (2023年1月30日 1時) (レス) @page17 id: 33239378f6 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - まるさん» 報告ありがとうございます〜!外しました! (2023年1月28日 13時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ! (2023年1月28日 7時) (レス) @page1 id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年1月21日 22時

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