ep.22 ページ22
「あー、サッカーしんど」
『氷織？』
練習場にスポーツドリンクを届けにきた私は
壁にもたれかかった氷織が冒頭の台詞を吐くのをたまたま
耳にした。
氷織は私の姿を確認するとただえさえ大きい目を
さらに丸くした。
「聞いてもうた？」
『サッカーしんどーって』
「全部聞いてるやん」
私は氷織の横に座ってはい、とスポーツドリンクを渡す。
氷織はありがとう、僕汗臭いやろと笑うので私はふるふると首を振った。
『まあ、こんだけ動いたりしたらそらしんどいわな』
「京都弁しゃべれるんやねAさん」
『ん、まあね』
喋れるに決まってる。
生まれてから15年は京都にいたのだから。
東京に来てからは関西弁だと揶揄われるので必死で直したのだ。
氷織は何を言うわけでもなく他の子達の練習をぼーっと
眺めていた。私はそんな彼に喋りかける。
『氷織はサッカー、あんま好きちゃうん』
「んー、よく分からへん。
はみんな熱いしついて行かれへんなって思うことはあるんよ」
『あ、けどそれ分かるかも。私も月城学園に通い出した頃は
周りとの温度差みたいなん感じてちょっと辛かった』
膝を抱え込んだ私はそんなことを思い出した。
学校はあくまで通過点で私にとってはどうでもよかった。
月城に入れるのはごく僅かなエリートだけだから、
あちこちで起こるマウント合戦にエリートなのだと言う自負の強い人間ばかりでここで1番になるのだと息巻く周りについていけなかったのだ。
「Aさんも大変なんやな」
『ブルーロックって忘れられがちやけど結構イカれてるやん。やから氷織みたいに思うことあっても仕方ないと思う』
「...Aさんって初見のとき冷たそうなイメージあったんやけど、こうやって京都弁喋ってると親近感湧くわ」
そっちの方がええんちゃう？とはんなり笑った氷織に
口角を上げた。
『次のイタリア戦、氷織が出るの楽しみにしてる』
「ん、試合でな評価されるもんもされへんしな」
さてと、と立ち上がった私に氷織はこてんと
小首を傾げて可愛らしく私を見上げた。
「もーいくん？」
『ん？』
「まだもうちょっと喋りたいんやけど」
氷織の可愛いおねだりに私は別にええよ、と
氷織の前にしゃがみ込んだ。
『ふふ、氷織の前でしか京都弁使えへんし楽しいな』
「あんまそう言うこといろんな人に言わん方がええで
勘違いしてまう」
京都弁と氷織羊
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きゅんた(プロフ) - たるとさん» 初コメありがとうございます〜！誤字ってますね〜！指摘ありがとうございます♡主人公総受けなんでまだまだ関係拗れていったらいいなあ〜！！！ (2023年1月30日 2時) (
レス) @page17 id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
たると(プロフ) - 初コメ失礼します！！いつも楽しく読ませてもらってます！！玲王との展開も楽しみですしカイザーとの関係最高すぎます〜！！あと少し気になってしまったのですがティラピスじゃなくてピラティスな気がします！！細かくてすみません汗 (2023年1月30日 1時) (レス) @page17 id: 33239378f6 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - まるさん» 報告ありがとうございます〜！外しました！ (2023年1月28日 13時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ！ (2023年1月28日 7時) (レス) @page1 id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゅんた | 作成日時：2023年1月21日 22時
