控室 2 ページ17
『ヒョン、もう少し警戒してくださいよ』
『そんなに心配しなくても・・』
『あの子は注意しろってマネージャーも言ってたでしょ?』
『うん、でもあの子チャン ミンのファンじゃないの?』
『甘いです、ヒョンは。ヒョンが彼女の所へ行くのを遮るように来ませんでしたか?』
『あ、うん、確かに突然現れたけど』
『ヒョンを自分の方へ向けたかったんですよ』
『どうして?』
『たぶん、自分が中心にいないと気が済まないタイプなんでしょう。
だからヒョンの視線が他の女の方へ向いているのが気に入らなくて邪魔しに入った』
『?? なんだかよくわからない子だなぁ』
『とにかく、注意してくださいよ。あの子3日目も来るって聞いてますから』
控室のドアをガチャリと開け、会話をしながらのユノとチャン ミンは入って行った。
『わかったよ、気をつけるよ』
『そうしてください』
「お疲れ。もう反省会か?」
茶化す様にマネージャーが言った。
「いえ・・、あーまぁ、そうですかね」
そう言ったチャン ミンがAを見た。
Aはその目が何を意味してるのかわからず、挨拶しようとすると・・
「? お疲れさm!」
ユノが駆け寄る勢いでズンズンと歩み寄ると、両腕を広げてAを包み込んだ。
いきなりの抱擁に顔が熱くなるA。
「ちょっ、ちょちょちょちょ、ユノさんっ、みんないる////」
ユノの脇の下から飛び出しているAの両手がバタバタと慌てふためいている。
そんな言葉もお構いなしのユノ。
「会いたかった〜」
苦笑いのマネージャー。
「はぁ・・、まったくヒョンは・・」
チャン ミンは呆れ顔を見せるも、苦笑いに変わる。
「ユノ、いい加減にしてあげな、彼女が困ってるぞ」
「え? そんな訳・・」
マネージャーの言葉に腕を緩めてAを見ると、顔を赤くしてプイっと背中を向けた。
「? Aちゃん?」
ユノが顔を覗き込もうとすると、更に顔を背けるA。
「Aちゃん」
顔を背けた先にはマネージャーとチャン ミン。
いたたまれなくなったAは・・
「あ、あの、ちょっとお手洗いにっ」
そう言って控室を飛び出す様に出て行った。
「え? え?」
訳が分からず焦るユノがキョトンとする。
「僕、何か変な事した?」
「ユノにはいつものハグでも、彼女には恥ずかしい事だったんだよ」
「そうなの?」
再び苦笑のマネ。
「あ、そういえばまた迷子になるかも」
チャン ミンが言った。
「え?」
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作者名:カホル | 作成日時:2021年6月3日 16時