クリスマスの雪 (ページ8)

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25日　（前編）ページ8

Aは、目を覚ました。
いつの間にか朝になっていた。

ベッドの上から何気なく部屋を見回す。

すると昨夜の男、ユノが上半身裸で背を向け立っていた。
細身なのに引き締まり鍛えられているのがわかる背中・・・

ドキリとするA。

「おはよう。」

ふいに振り返ったユノが言った。

「！お、はよう・・・。あの・・・。」

「何？」

「・・・どうして・・裸なの？」

「覚えてないの？」

Aは言葉に詰まった。

「昨夜のこと・・・。」

ユノが真っ直ぐにみつめて問いかける。

「・・・キス・・・したことは覚えてるけど・・・。」

恥ずかしそうにAが言う。

「その後は・・・？」

「・・・・・。」

首を傾げ、戸惑いながら考えているAを見て、ユノは笑った。

「冗談だよ。」

「え！？じゃあ、その恰好は？」

「君が起きたら、からかってやろうと思ってね。
だって君は、キスをして盛り上がったところで寝ちゃったんだから。」

「え！？そうなの？ごめんなさい・・・って言うのかな？」

そこでAも笑った。
「そんな事した記憶もないから、おかしいなとは思ったんだけどね。」

「なんなら今から続きをしますか？」

「え！？」

ベッドに手をつき迫ってくるユノに、慌ててベッドから落ちそうになるAを見て、
またユノは笑いシャツを着た。

「おいで、外はキレイだよ。」

「？」

Aはベッドから抜け出すと、窓から外を見るユノの隣に立った。

「わ～・・・。」

外は一面の雪景色になっていた。

「キレイね。こんなに降ったのね。」

昨夜から降り続いた雪が、すべての物を白く染めている景色は、本当にキレイだった。