泡になりたい…… ページ23
…
side・in
「え、けい？」
「え？」
え？なんで？
花道からの帰り道。
高木の腕を掴みながら笑顔を振り撒いていたら、俺の名前を呼ぶ声がしてふと見ると…
あの人がいた。
隣に綺麗な人をつれて……
なん、で？
なんでいんの？
固まってしまった俺に気づいた高木が、上手い具合にその場から誘導してくれた。
カタカタ震えてしまっている俺を心配そうに覗き込んで、椅子に座らせてくれた。
「どした？いまごろ緊張した？(笑)」
もう出番は終わったらからゆっくりしていいって。と言いながら水を持ってきてくれて、落ち着かせる為に背中を撫でてくれる高木。
何か、何か言わなきゃ…
だけど
言葉が出ない…
コップの水を飲み干しても、喉の奥がカラカラしてて、声を出そうとしてるのに…出てこない。
「え？ほんとに体調悪くなっちゃった？ちょっと待ってて」
「ふぇぇっ？？」
いきなりお姫様抱っこされて視界が反転して、思わずギュッて首に手をまわして高木にしがみついた。
控え室までドレス姿の俺を抱えて運んでくれた。
ソファにおろされて、気持ち悪くない？ドレスがキツイのかな？どうする？脱ぐ？スタッフさん呼んでくるね。って、その場を離れようとするから。
俺から離れようとするから。
だから…
その腕を掴んだんだ。
一人でいたくない…
今、こんな状態で一人は嫌だ。
「ん？どした？苦しくはない？」
コクコクと頷くとそっと抱きしめてくれた。
「…だぃ、じょ、ぶ。ここにいて」
「ん、わかった。そばにいるよ。安心して」
ポンポンと背中を叩かれて、高木の匂いなのかな？いい匂いに包まれていると、少しだけ落ち着いてきた。
「なにかあった？お客さんに睨まれた？」
「へ？」
「だって、こんなイケメンと腕組んで歩いてたから」
「ばっかじゃねーの！！なんだそれっ！自意識過剰だ！！」
「おっ、やっと元気になったね」
ヨシヨシって撫でてくれる手のひらがすごく優しくて、俺のこと心配してくれるのが嬉しくて、
ポロって目から零れたものは、決して涙なんかじゃない。泣いてなんかいない。
だって、さっきのは空耳だもん。
だって、さっきのは幻なんだもん。
あの人がいるわけないもん。
だから、これは涙じゃない。
「伊野尾くん？大丈夫だよ、大丈夫」
大丈夫だから少し休んで……
優しい声が聞こえて、そのまま俺は目を閉じた。
．
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みるみるみるきー(プロフ) - しろくまさん» しろくまさん、ありがとうございますぅ！頑張りますです。これからまた1さん登場させますからー！ (2020年5月21日 11時) (
レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - 素敵な夜景とイケメン…どちらも大好物です、はい。じゅるり。これだけで茶碗5杯はいただけます。ひき続きお待ちしていますっ。 (2020年5月21日 10時) (レス) id: 8dcb6e2f50 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - Linkさん» きゃーーー(≧∇≦)りんちゃーん！お久しぶりーふ！おほほ、あの人は誰かしらー？家政夫さんかしら？聖書の人かしら？獣医さんかもしれないwwwいやーん、戻ってきてー宇宙からー！！また読んでねー。 (2020年2月7日 19時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - うわぁーっ！たかいのの微笑ましいやり取りからのあの人…。あの人おおっー…！！あーーいのやま女装でにたにたしてたのにー笑笑 みるきーさんのたかいのはもちろん、ゆとやまに弾けて宇宙に飛んでっております。お久しぶりのコメント失礼しました。 (2020年2月7日 19時) (レス) id: 82c087770e (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - やまたかさん» ありがとうございますっ！がんばりまーす！！ (2020年2月6日 22時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
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