いつまでも… 6 (ページ38)

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色々話した結果、身体的な苦痛は避けたいって言うことで経管栄養も胃瘻もやらないことに。

つまり、嚥下障害が改善するまで入院させることにした。

慧「…ということなんです。病院で楽しく過ごせるようにしてあげたいんですけど…。」

櫻「わかりました。看護師とも相談してみます。」

看「先生、涼介くん自己抜針してます。」

櫻「え？すぐ止血して。」

看「もう止血はしていますが帰ると言って聞かなくて着替えまでしてます」

櫻「あらら、ちょっと部屋に行こうかな。お兄さんすみませんが涼介くんに強く言わせてもらいますね。」

慧「はい。お願いします。」

お兄さんを連れて部屋に行く。

涼「にい！帰る準備できた！」

部屋に入るなりにこにこしてお兄さんに近づいていった。

その間に入って涼介くんを抱っこしてベッドに座らせる。

涼「なにするのー！」

櫻「涼介くん、聞いて？このままじゃ退院できないよ。何回も言ったよね。」

涼「なんで？点滴ないよ？」

櫻「それは涼介くんが勝手に抜いたからでしょ？また入れるからね。」

涼「やだっ！痛いもん。にい助けて！」

櫻「お兄さん1回出てもらってもいいですか？」

そっと部屋から出て行った。

涼「なんで意地悪するの！にいー！」

櫻「お兄さんも涼介くんのために毎日来てくれてるんだよ。

　それなのに勝手に点滴抜いたりしたら悲しんじゃうよ。

　点滴入れ直さないといけないからお兄さんと会える時間も減るんだよ？いいの？」

涼「やだっ」

櫻「だよね。そうしたらお兄さんと先生の言うこと良く聞いて？

　みんな涼介くんに辛い思いしてほしくないの。帰れなくなったら嫌でしょ？」

涼「ううぅ…うわぁぁん…。あぁぁんん…。」

ドアを開けてお兄さんに入ってもらう。

心を鬼にしないとと思って部屋の外で先生の言葉を聞いていた。

泣いている涼介を抱きしめる。

慧「ごめんね。本当は今すぐ連れて帰りたいよ。でもできないのは涼介が大切だから。

　ごめんね…代わってあげたいよ。だから良くなるまでもう少し入院しようね。」

涼「ううぅ…。」

言いたいことは伝わったかな？

この日は泣き疲れて寝ちゃった涼介。