また ページ15
Aside
きっつ……。
ようやく１日を終えて、
家に帰った瞬間にベッドに身体を投げ出した。
ちょっと横になるだけのつもりが
YouTube収録ギリギリまで寝るとか……。
その甲斐あって、
収録中は普通に人狼できてたのが
救いだけど。
気が抜けたのか立ち上がったときに
一瞬くらっときてしまって
あのとき照がいなかったら
結構やばかったかもしれない。
足がしびれたなんてとっさのごまかしは
幸いうまくいったようで、
それ以上突っ込まれることはなかった。
たまにはそういうことだってあるだろう。
明日はダンスレッスンもあるし、
それまでには回復させたい。
重い身体を起こして、
シャワーを浴びて寝ることにした。
次の日アラームの音で目を覚ました。
まだ若干だるさと頭痛は残るけど
これなら問題なく動けそうだった。
ちょっと疲れてたのかな。
そんなふうに考えながら、
バッグにレッスン着を詰めた。
けど食欲はまだイマイチなくて。
無理やり食べてレッスン中に
気分が悪くなっても困る。
そう思って、
冷蔵庫にあったゼリーと頭痛薬を流し込んで
事務所に向かうことにした。
通い慣れた事務所の玄関を通って
ダンススタジオに向かっていたときだった。
A「つっ……」
まただ。
視界がまわっている感じが、
また俺を襲ってきた。
バランスを保てなくなって、
冷たい床に膝をついてしまった。
気を抜けばそのまま倒れ込んでしまいそうで
壁の手すりにつかまって、
なんとか身体を支えた。
首筋を流れる冷たい汗が
不快感に拍車をかけてくる。
なんだよ、これっ……。
ただ早く治まることを祈るしかできない。
そんな俺の後ろから、
？？「Aくん！？」
自分の名前を呼ぶ、焦った声がした。
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作者名：くらげ
| 作成日時：2021年9月20日 5時
