彼ペース ページ25
Aside
翔平さん大学生作戦が始まって早2週間、分かったことは翔平さんに出来ないことはない、ということである。基本的に日本語でガイドがついている授業なので言語で困る要素はなかったし、少し捻った理論も私が簡単に説明すれば毎回すぐに理解していく。翔平さんは心底大学の講義室で授業を受ける、という行動を楽しんでいるようだった。要領のいい負けず嫌いだし、賢いし。
「絶対翔平さんのほうが学生に向いてますよ〜…。もう大学で学び始めて5年目なのに毎週課題と研究の山に埋もれてる自分が情けないです。」
私たちは授業が終わった後、翔平さんが足を使わないトレーニングや映像を見てプレーの研究等野球のことをしに行くまで、一時間くらい、私しか知らない構内の穴場のベンチでいつもご飯を食べている。お行儀が悪いけど何事も卒なくこなす翔平さんを目の当たりにして思わずおにぎり片手にテーブルに突っ伏した。
『俺は隣で授業受けててAすげーなーって思うけどな。』
もぐもぐと鶏むね肉を咀嚼する翔平さんは何だかリスみたいだ。
「何がですか！」
『ノート。』
「ノート？」
『いつも自分の言葉でまとめてるでしょ？それにそこから自分の研究に結び付けて色々かんがえてみたりさ。俺結構話聞くだけで手一杯だけど、授業中に全部それやってんのすげーなーって思ってるよ？A、いつも自分を過小評価しすぎじゃない？』
何でもないように言ってのけた翔平さんだけど、彼の言葉は凄く優しくて、同時に大分照れ臭かった。こんな風に自分を真正面からほめてくれる人って、お父さんお母さん以外にいたっけな。
「ていうか翔平さん。いつも私のノート覗いてるんですか？！」
『だってA左利きでしょ？俺文字書くの右だから腕当たって気になるんだもん。見えちゃうじゃん。』
「絶対嘘だ…。覗いてますよね！」
『覗いてない！』』
今日も暫くの間やいやいと一通り騒いで、いい時間だったのでそろそろ球場まで車を出す時間かな、と思った時だった。
「そろそろ練習行きますか？」
いつもはそうしようかな、と席を立つ翔平さんが立ち上がる様子もなくにやにやと私を見つめている。これは、何か面白がっているときの顔だ。
『ねえねえ、これからバイトだよね？』
「はい、そうですけど？」
『行きたい。Aの働いてる本屋』
「…ええ？…えええ？」
翔平さんって野球以外は本当にマイペースだ。
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みび - 続きが気になります！ (9月8日 23時) (
レス) id: 4e8c4ab155 (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - miya381117さん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (6月4日 16時) (レス) @page30 id: dfa5704a4e (このIDを非表示/違反報告)
miya381117(プロフ) - 続きが気になりすぎて眠れない^ ^翔平行けー！ (6月1日 21時) (レス) @page29 id: e8bd8eef5b (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - 桐山めぐさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごくうれしいです！！投稿頑張ります！ (6月1日 17時) (レス) @page29 id: dfa5704a4e (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - こんにちは！このお話めちゃくちゃ面白いです♪大谷さん 主人公ちゃんに連絡出来ない日々を耐えてやっと会えると思ったのに、、主人公ちゃんに何もありませんように祈ります(T_T)続きも楽しみにしてます！応援してます♪♪ (6月1日 17時) (レス) @page29 id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るう | 作成日時：2023年5月26日 15時
