【YS】みんなの嫁 3章

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マネージャーからの電話は、別に今じゃなくてもいいだろって内容ばかりで
それでも中々切らせてくれない。



時折、遠くのAとチャンミンに目をやるけど
見えるのはチャンミンの表情だけ。

俺の視線に気付いては、体のいい取り繕った笑顔(って見破れるのも俺ぐらいだと思う)でヒラヒラ手を振ってくる。


席を離れるつもりは無かったんだ。
お手洗いにですら。

だって、二人きりにしたらアイツ何言いだすか分からないから。
女々しい恋愛相談をしてたつもりはないけど、話を聞いてもらってたわけで、
そのたびに「どんな女なの？」「会ってみたいわ」「狭い中で恋愛しすぎ」
って散々なじられて。


東方神起の担当になるって聞いたときは、悲しいとかより焦りが大きかった。

俺の感情を差し引いて、彼女の人となりを伝えたって、今更遅くて。

ディフェンシブなコイツは、間違いなく色々理由をつけてAを拒む。
そんなのが事務所に伝わりでもしたら、Aのこの先が台無しになってしまう。

そのための急な誘いだったわけで。
でも、会えば。
先々で人を惹きつけて味方にしてしまうAだから、会いさえすればなんとかなると思った俺が甘かったか。




やきもきしながら10分、



KH「ごめん！！遅くなった………なんの話してたの」



席に戻ると、二人とも似たような顔つきで笑ってて…なんだこのアウェー感。



KH「なんか企んでる…？」


CM「いや(笑)俺ら別に管理される必要はないけど、やりたいならやればって話してた」


KH「……」


「ありがたいよ。期待値が底辺だなんて。上がるしかないもの」


CM「クソポジティブだな」





もうタメ口……そんなに早く打ち解けるなんて誤算だった。
これは、もうフラグ立ってるよな。
そう思うと安堵で笑えてくる…

さっきとは別の焦りが湧いてくる、けど君が何よりも大切にしてる仕事へのプライドは守れたのかな。


憎まれ口を叩いても、目の前の二人は悔しいぐらいの美男美女で
一歩も引かないAもAで、今日は一段と綺麗だし。


いつまでも突っ立ったまんまの俺を、チャンミンは不思議そうに見ながら
Aのほうに寄って
元いた場所に俺を座らせると
目配せで会計を伝えた。




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