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「そうだ、お礼にAに面白いものを見せて上げるよ」

「え、お礼なんて...」

「ボクがしたいだけ」


少年は私の目の前に座るとポケットからトランプを取り出した。
私は少年に言われシャッフルしたトランプの山から少年に見えないように一枚カードを引く。


「覚えた?」

「ん、覚えた(ハートの12か)」


覚えたカードはトランプの山に戻され、またシャッフルされる。
そして、少年は数回のシャッフルのあとトランプの一番上のカードをめくった。


「Aが選んだカードはこれかな?」

「(ハートの12っ!)...え、少年すごいな!」

「ふふっ、ありがとう」


マジックを終えたあと右手から左手、左手から右手とカードを飛ばす「スプリング」をする。
まるで何でもないかのようにやるが実際そう簡単ではないはずだ。


「うーん、どうやったんだ?」

「種を知りたいのかい?」

「気になる」

「だーめ、わからない方が楽しいでしょ」


年相応の少年らしい悪戯な微笑み。


「それともAもやってみる?それなら種を教えてあげなくもないけど」


教えてくれるとは言わない辺りだんだん少年のことがわかってきた気がする。
意外と悪戯好きと言うか、ちゃめっけと言うか、少し腹黒いものが見え隠れするのだ。


「...いいや、少年の言う通り、種がわからない方が不思議で良いな」

「そう?」

「あぁ.........うん、ごめん、やっぱり知りたい」

「だと思ったよ」

「何かかっこいいし、それに────おわっ」


やってみようと少年からカードを受け取りシャッフルするが、手元が狂いバラバラとあちらこちらに散らばった。


(私、シャッフルもまともにできない?)


その後少年に手品のレクチャーを受けるもできるようにならない自分。


「貴方、不器用なんだね」

「ぐっ...」


器用ではない自覚はあったがここまで不器用とは。


「もうやめるかい?」

「...うん」

「...それじゃ、ボクは川にいくよ」


微笑んではいるが冷たさを含んだ表情で立ち上がる少年の手首を反射的につかんだ。


「え、と、しばらくトランプを借りてもいいか?」

「どうして?」

「練習するから。上手くなったら少年に見せるよ」


そう言ったときの少年はとても嬉しそうで、先程の顔は見間違いだったかもしれない。


「そういえばA、さっき「それに」のあとは何を言おうとしたんだい?」

「あぁ、それは」


『それに、今度は私が少年に面白いものを見せたいから。』

第3話→←。



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ユゥ - 更新おねがいします!!!!!!!!!!! (9月7日 23時) (レス) @page27 id: 5d8fa42b34 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - 好きです!!!!!!!!!!!!!!!!!! (8月10日 1時) (レス) @page27 id: e53abe021c (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 最高です!!!!!!!! (7月31日 8時) (レス) id: 160db3b238 (このIDを非表示/違反報告)
- ひ、ひぇえええめっちゃくちゃおもれええ (2022年9月26日 9時) (レス) @page27 id: ab3a56c6fc (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - リィさん» ありがとうございます (2022年8月14日 0時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:00 | 作成日時:2019年6月11日 21時

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