赤毛の少年に拾われたっ！件 (ページ8)

今日:15 hit、昨日:42 hit、合計:53,085 hit

。ページ8

「寝ようA」

「...ん」

少年に慰められてしまったとわ。
ため息をつきつつベットへ上がった。
それと同時に少年によって蝋燭の火を吹き消される。

「......少年？」

「え？」

床に寝そべる少年。

「何で床？」

「え、あぁ、実は布団はその一組しかないから」

そうではなくて。
というか、それは昨日の時点だ知ってたわ。

「昨日みたいに一緒に寝ればいいだろ」

「でも...良いのかい？」

「良いもなにもここは少年の家だぞ、私の方が一緒に寝ても良いのか聞きたい」

ベットのそばに座り込む少年へと手を伸ばす。
その手をとり微笑む少年の顔が街の照明に照らし出された。
それから少年もベットへと上がり同じ布団に入る。
やはり、二人で寝るにはオブラートに言って些か窮屈だ。

「あ～、ホントに狭くして申し訳ないんだけどね」

「ふふっAそんなこと気にしてるんだ？」

「まぁね」

「でも、これはこれで悪くないかも。貴方は、とっても、温かい、か...ら...」

少年は言いながら寝てしまった。

「おっと...」

少し肩のでていた少年に布団をかけてやる。
眠っている顔はあどけなく、ちゃんと子供の顔をしている。
そしてやっぱり綺麗な顔をしていて将来の姿が少し楽しみだ。

「......ん？」

別に私は少年に対し邪な感情はない。
しかし、気づいてしまうとじわじわと不安が募る。

(これ、犯罪じゃないよな...？！)

自分は潔白である。
例え今中学生ほどの血の繋がりのない綺麗な男の子と添い寝しているとしても自分は潔白だ。
と、思うものの、これがSNSにのったら一夜で拡散し炎上するに違いない。
おかげでその夜は上手く寝付けなかった。

「ふぁ～」

「A寝不足？」

「ちょっと考えごとしててな」

「ふーん？ボクはもう出るけど大丈夫？」

「ん、ちゃんと待っているから」

「いってらっしゃい」と荒野に出ていく少年を見送る。
さて、私は何をしようか。
今の私にできることは...。

「それで、こんなに綺麗にしてくれたんだ」

数時間後、帰ってきた少年が家の中を見回す。

「思ったようにはいかないけど、できることからやらせてもらう」

「うん、ボクもそういう考え方は好きだよ」

座っていた私の頭を少年が優しく撫でてくれる。
少年には何気なく行っていたことだが、やられてみると少し気恥ずかしいものがあった。

「ありがとう...少年も良い子だ」

私を撫でる少年に両手を伸ばし、柔らかな赤毛をくしゃくしゃに撫でた。