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ノックを二回したあと「どうぞ」と中から聞こえ部屋にはいる。
「キキョウ様、この度当店をご利用していただきありがとうございます」
「当然よ、貴方のところの蜂蜜はいつも最高級品ですもの」
「恐れ入ります。では、こちらがご要望をいただいた鬼灯の蜂蜜でございます」
「あらぁ、赤くて綺麗ねぇ」
鬼灯の蜂蜜はベリーのような甘酸っぱさをもつ少し癖のある蜂蜜。
花言葉は「自然美」。
「お気に召して頂けて光栄です」
「ふふ、ねぇAさん、うちにこないこと？」
「ご質問の意味がわかりかねます」
「ゾルディック家へ嫁がないかしら、という意味よ。そうね...貴女と年が近いのはイルミね」
「キキョウ様、お戯れとはいえそのようなお話はご容赦下さい」
イルミと違って、キキョウのこれは本当にただの冗談だ。
血統、血筋、家柄、権力。
それらを気にする彼女が、本気で私をこの家の誰かに嫁がせようなど考えるはずもない。
「あら、少しは本気よ？貴方の仕事は確かですもの」
「恐縮です」
「キルアちゃんは次期当主として立派な家柄の子でなければいけませんが、イルミやミルキちゃんはゾルディック家に相応しい能力があれば家柄は問いませんわ」
にこりと口元に笑みを浮かべ、キキョウの単眼がこちらに向けられる。
私の能力は別に凄いものではないはずだが、ゾルディック家の家業との相性が良すぎるということらしい。
「そうですか、では、イルミ様とミルキ様に良いご縁談があることをお祈りしていおります」
「あら、そう？でも少しは考えていただけると嬉しいわ」
「私には荷が勝ちすぎております。どうか、これ以上はご勘弁を」
「わかりましたわ」
「感謝申し上げます。重ねてお願い申し上げるのですがこのお話はご内密にして頂けないかと」
冗談はよしこさんだが、見合いを嫌がるイルミがこの話を知ったら嫌がらせで飛び火するかもしれない。
そしてキキョウとイルミが結託したらボヤどころか山火事のごとく炎上するだろう。
イルミに、バレては、いけない。
「それでは、私はこの辺りで下がらせていただきます」
「えぇ、代金はいつものように口座へ振り込んでおきます。また、よろしくお願いね」
「はい、次もご期待に添えるよう尽力させていただく所存です」
キキョウに頭を下げ部屋からでると、キルアが扉の前に立っていた。
今日の大本命だ。
「キルア様、今から伺わせていただこうと思っておりました」
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ユ - お、面白すぎる、、、！貴方様は物語を考える天才ですか！？ (2022年9月26日 16時) (
レス) @page31 id: ab3a56c6fc (このIDを非表示/違反報告)
むちょ - 言葉では表せられないぐらいとても素敵な小説でした！なんとも言えない空気感がとても好きです。 (2022年8月19日 1時) (レス) @page31 id: cded16a817 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - でぶきさん» コメントありがとうございます。 (2022年8月1日 20時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
でぶき - あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ (2022年6月26日 12時) (レス) @page28 id: 804c35253a (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ユウさん» そう言って頂けて嬉しいです。しかし、ごめんなさい、まだ完結していません。長く更新していないのでたぶん誰かが完結してるとしてしまったんだと思います。今は別の作品を進めているところです。またしばらくしたら更新していく予定です。 (2019年11月29日 0時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：００ | 作成日時：2019年6月9日 0時
