第367話 助っ人 ページ32
『…………』
──────A…!
『(…だれ…?)』
──────A!起きて!
『(だれなの…?)』
──────A!起きてくれ!
『(ききおぼえのあるこえ…?)』
──────鬼族の生まれ変わりだろ!
『(おにぞく…)』
──────これくらいでへばってんじゃねぇ!
『(そうだ…そうだね…)』
『っ!』
僕は目を覚ます。
「A!目が覚めたか!」
「心配したぞ…」
『…エンマ…?カイラまで…』
僕の目には妖怪の姿をしたエンマとカイラがいた…。
「あ!Aさん!目が覚めたんですね!」
僕に気がついたつくしが声を出す。それと同時にみんなは僕を見る。
「お前、大丈夫か?」
「黒姫さん、大丈夫ですか?」
「どこか痛みますか?」
『えっと…』
起きたばかりでみんなに質問攻めされて僕は混乱する。
「こらこら、そんなに質問してもAは困るぞ」
「無駄だエンマ。今の私達は妖怪。並の人間になど見えるはずがない」
「皆さん、まずはそこまでにしたらどうかな?黒姫さんは起きたばかりです」
「そっか…ごめんね、黒姫」
野坂の言葉でみんなは謝る。
『だ、大丈夫…』
そう言って僕は起き上がる。
「無茶するなよ?A」
『エンマ…』
「お前のその無茶な行動でほら、向こうを見ろ」
カイラにある方向を見るように促されて僕は見る。
『っ!』
そこには心配そうにこちらを見ているナツメ達が居た。
「お前が倒れてからずっと心配していたんだぞ?」
『…それは…悪いことしちゃったね…』
「それと、拓也からの伝達だ」
『…?』
「《紫紅家は俺たちに任せて姉ちゃんは一星に集中しろ》…だそうだ」
『……そっか……』
「私達も手伝う。安心しろ」
『えっ…?なんで?』
「いくら鬼族の生まれ変わりでもこれだけの量の怪魔を捌けば疲労が現れてくる。例え妖力が残っていてもな」
「だから私達が手助けをする」
『と言ってもフィールドに出るのだけは止めてくれ?これ、一応全国中継されてるから見える人が居たらパニックを起こすぞ』
「今更だな…」
『まぁ…確かに怪魔が写っていたからな…』
「んじゃ大丈夫だよな?」
『知らんぞ僕は』
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スイジュ(プロフ) - 不動ガゼルさん» ありがとうございます!出来るだけ早く更新できるよう、頑張ります! (2019年9月18日 13時) (レス) id: 17b91e6418 (このIDを非表示/違反報告)
不動ガゼル - とても面白いです!続きがスゴく気になります!更新、頑張ってください! (2019年9月17日 22時) (レス) id: d6053f6f59 (このIDを非表示/違反報告)
悠舞(ユウマイ) - こちらも嬉しいです! (2019年9月2日 21時) (レス) id: 3982121288 (このIDを非表示/違反報告)
スイジュ(プロフ) - 悠舞(ユウマイ)さん» ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです! (2019年8月26日 15時) (レス) id: 17b91e6418 (このIDを非表示/違反報告)
悠舞(ユウマイ) - この作品好きなので更新されるたびに見に来ています!とても良い作品です! (2019年8月26日 0時) (レス) id: 3982121288 (このIDを非表示/違反報告)
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