オッドアイ少女の相談所

第348話 守る ページ13

病院の扉を三回ノックしてから病室へ入る。


A｢光くん｣



ベットの上で窓を眺めている光くんに僕は声を掛ける。



光｢っ！Aさん！来てくれたんですね！｣



嬉しそうな笑顔で僕の方を見る。



A｢今日は花を持ってきたよ｣



そう言って僕は腕に抱えてる花束を差し出す。



光｢わぁ…ありがとうございます！｣

A｢どういたしまして｣

光｢この花は…マリーゴールド…？｣

A｢そ！花言葉は『健康』だよ｣

光｢健康…ありがとうございます｣

A｢どういたしまして｣

光｢あ、そう言えば…オーストラリアの試合…兄ちゃん…傷だらけだったけど…｣

A｢…大丈夫…。安心して、一星は僕が守るから｣

光｢…ありがとう…Aさん…｣

A｢…ううん…あの時守れなかった僕にも非はある…｣



あの時…僕が止めていれば…。



光｢いえ、大丈夫です｣

A｢…あ、そう言えば光｣

光｢？なんですか？｣

A｢お腹とか痛くない？｣

光｢はい、大丈夫ですけど…｣

A｢そっか｣



良かった…と僕は安堵して光くんの頭を撫でる。



光｢Aさん?!｣



驚き、裏返った声で光くんは僕の名前を呼ぶ。



A｢嫌だった？｣

光｢い…いえ…その…気持ちいいです…｣

A｢なら良かった…｣



この後は面会時間ギリギリまでここに居て、光くんと話し合っていた。









A｢それじゃあまた来るね｣

光｢はい！ありがとうございます！｣



笑顔で光くんは僕に手を振る。



A｢……監視しされてるのって辛いよね｣



病院の外を出た時、黒い服を着た人が数人隠れていた事に気づく。

第349話 言葉遣い→←第347話 休暇届け

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す