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結果、DTM部から赤点者は出ず、一番ぎりぎりだったのは二年の範囲を無駄に覚えていた一年生の樹だった。
それでも全員が平均以上ということが確定した。
もちろん、夜陣は学年首位であった。
黒川はハンカチを噛んで悔しがった。
夜陣が堂々と言った。
「難しくしたことがアダになりましたね。
DTM部の顧問を引き受けながらも、DTM部を廃部に追い込もうとする、その心理を教えてください。
それから、伝説の『DTMer』について知ってることも」
「……一芸などどいう不当な手段で合格したやつがいるからだっ!
私は『DTMer』の名を汚されたくないのに!」
「名前って学校の名前ってことですか?」
「違う!サイガのだっ!」
「?!
なぜその名が先生の口から出るのですか?!」
顔色を変える夜陣に、黒川はしまったという表情をした。
「く!
つい口を滑らせてしまった!」
そういうと黒川はすごい勢いで去って行った。
「待ってくれ!
先生!」
夜陣が引き止めたが、無駄だった。
せいかがぽつりと呟いた。
「黒川先生……
闇が深そう……」
スポーツマンシップにのっとる男VS手段は選ばない男→←夜陣が龍華に世界史テスト対策を伝授?
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作者名:ルスブ | 作者ホームページ:http://twitter.com/rusbsss
作成日時:2022年9月9日 10時