…SHORT STORY…♯2

暖: SJ KH ページ16

ふと、背中にひやりと冷たい空気が入ってきて目を覚ます



「…何、」



KH「あ、起きた」



「何してんのよ」




もぞもぞと、さらに毛布の中に潜り込んで来る彼は、



「つめた！」



KH「外さむくて」



足を私の足にくっつけて、暖を取ろうとする



「いいから…何、早く出てよ」



KH「鍵、開いてたから…危ないよ」



「キュヒョンが来るって言うから開けといたんじゃん」



KH「だから起きて待っててっていつも言ってるじゃん」




友だちのキュヒョンは、よくこうして家に来てご飯をねだったり、お酒を一緒に飲みたがったり、



「俺のワガママを聞いてくれんの、Aくらいだから」って、いつも勝手なことを言う




「なんで待たなきゃいけないの？とにかく出てよ」



KH「鍵、開いてたから」



「鍵開いてたからって、人のベッドに入り込んでいいなんてことない…眠いんだから寝かせて」



KH「夕飯は？」



「無い」



KH「嘘、冷蔵庫の中にラップかけてあんの見た(笑)」



「…勝手に温めて食べなよ」



KH「Aがやってよ」



「あのさ、人の家でこんな時間にご飯食べに来て、寝かかってた友だちを起こして迷惑かけてるとは思わない？」



KH「思ってない」



「最低」



かまわずにもう一度寝ようと思ったのに



その夜の彼はいつもと違った







KH「ねぇ」







「ちょ、っと・・何」






突然耳に寄せられた彼の唇から、甘い声







KH「あは、弱い？耳(笑)」






クスクスと笑う声さえ心臓に悪い

絶対、自分の声がいいって分かってやってる

最悪…






「変なからかい方しないで…ほら、ご飯温めてあげるから…」




KH「いいよ、自分でやる」




「は？」




KH「いいから、あとでちゃんと食べるから…まだ居てよ」




毛布から出ようとした私の肩をぐいっと引っ張って、また毛布をかけて、



ついでに彼の腕もくるっと回されて、





「何よ」




KH「寒いんだって」




「風呂入れば？」




KH「…一緒に…」




「ばか」




KH「…」




「…で、これ何なの」




KH「…」




「…あー、もう！何かあったの？ん？」





どう考えてもいつもの様子と違うキュヒョン


今まで二人でいても、ここまで甘えたようなことをする人ではなかったから


きちんと、友だちの距離を互いに守って来たから…





KH「…俺以外にも、こうやって家に誰か呼ぶの？」



「へ？」



KH「答えろよ」



今度は少し、強気な声

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