今もずっと DH ページ37
初めてあの店に行った時、そう言ったのはたしかヒョクで、俺もシウォンも結局Aも頷いたんだった
それからいつだって俺たちが集まったのはあの店で…
「別に誰も悪くないって分かってる…誰かを紹介するのも皆の自由だけど…やっぱりあそこでは…せめて私の前では…『いつも』がよかった」
いつの間にか落としていた視線を戻してみれば、Aの顔がひどく辛そうに見えた
「私があの店を紹介したのは、皆を友だちだと思って、信頼してたから…」
……だから俺はあの店に始めて行った時、嬉しかったんだ…
Aが大事にしてる店で、俺たちに信頼をくれたから…
「だから、いつものあの場所で、私たちのあの場所で、あんなヒョク…見たくなかった…気付いたらね、全部無くなってた…『いつも』…じゃなかった…全部全部、持ってかれちゃった…」
きっと…Aが言ってるのはジミンのことだ…
「けど、嫌な人だったらよかったのに…ジミンさん、すごく良い人で…私、だから、もう自分がすごい惨めで、醜くてしょうがなくて…」
SW「そんなことないよ…A」
「もう頭の中がぐちゃぐちゃで…そしたらね、二人が、キ、キスしようとしてて…」
え?キス…?そんなの…A、見たの?
「それで、もうね…黒い物がぶわーって…そしたらキュヒョナが…」
そこでキュヒョナも一緒にいたことを思い出してはっとする
俺の斜め後ろでキュヒョンの肩がピクリと動いたのが分かった
「キュヒョナが外に連れ出してくれて、私やっと大きく息が吸えたみたいだった…」
SW「そうか…」
キュヒョナは何も言わず、俺の後ろから移動して、中が見えない扉の脇の壁にただ寄っかかった
こんなA見たら、さっきのこと不安にもなるよな…
「それくらい、今日、すごい疲れた…バカだよね?覚悟決めて行ったのに…ほんと……」
また涙を流すAの髪をシウォンが丁寧に撫でる
「私しばらくあの店行けない…あの店で、ヒョクと…あの二人を見るのは…つらい」
SW「うん…」
「どうしようシウォナ…私…私やっぱりまだ…ヒョクのこと好きなんだ…」
SW「A…」
切ないAの声は、なんだか俺の胸まできゅうっと締め付けた
そうだ、Aは…今もずっと、
やっぱりヒョクが好きなんだ…
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作者名:ルル | 作成日時:2015年8月13日 0時