ヒョン ページ26
え…キュヒョンに見られてた…？
でも、ちゃんと落ち着いてから戻ったし…
「な、泣いてないよ別に」
KH「嘘」
「嘘じゃないって、ほんとに…」
KH「なんでそんな嘘つくわけ……じゃあ言い方変えるけど、泣いてなかったとしても、ヌナ…泣きそうだったから」
なんで、なんでキュヒョナがそんな切ない顔するの？
KH「ヌナ…泣いてたのってさ…」
「だから泣いて…」
KH「ヒョンのせい？」
もしもキュヒョンに泣いていた所を見られていたとしてもその理由は分からないと思っていた…
キュヒョンがどの“ヒョン”のことを言っているのかは分からない
けれどもしそれが“彼”のことならば、今日の私は初めて一緒に飲んだ人にも分かるくらい、想いを溢れさせていたのだろうか…
「だ…」
誰の事を言ってるの？と聞こうとした時、
KH「…ドンヘヒョンだ」
テーブルに置かれたキュヒョンのスマホが鳴った
何を聞こうとしたんだろう…
聞いてどうするつもりだった？
キュヒョンにバレている？ヒョクにも？ジミンさんには？
たくさんの“？”のせいで心臓の音がうるさい
キュヒョンが電話を取ると、
『ヤー！Aは！？一緒！？どこ！？』
とものすごいドンへの声が私にまで聞こえた
KH「そんな怒鳴らないでください」
DH『いいから、どこなの！？Aは？』
キュヒョンがうんざりとしたようにドンへに店の名前を告げてスマホを切った
KH「はぁ…ドンへヒョンが迎えにくるって…なんかシウォニヒョンも一緒みたい」
「シウォンも？」
KH「そうみたい…何か怒ってた…面倒くさい」
「なんで怒ってたの？」
KH「多分ヌナが急に消えたからじゃない？」
「やっぱ私か…ドンへ、内緒でどっか行くとすぐ怒るから」
KH「……ヌナって鈍感だよね(笑)」
「え？そんなことないよ？」
KH「……大丈夫、多分気付いてないよ…ヒョンも鈍感だから」
だからそれは…
KH「ドンヘヒョン遅いね…」
どっちのヒョン？と聞こうと思ってやめた
“ドンへ”ヒョンと言った所で、“ヒョン”が誰なのかは分かったから
それからは二人とも無言で、追加でワインを注文することも忘れていた
それからしばらくして、
KH「大丈夫、俺も黙ってる」
ポツリとキュヒョンが言葉を落としてから、勢い良く個室の扉が開いて…
DH「A！！！」
怖い顔したドンへが…と思ったらその二秒後にはきつく抱きしめられていた
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作者名：ルル
| 作成日時：2015年8月13日 0時
