これからもここで * ページ27
階段をあがって、扉を開ける
遠慮がちに、それでも最大限に部屋の中を見回して、
やっぱり何度か座ったことのある青いソファに腰掛けた
これ以上はなんだか、まだ、うろうろしてはいけない関係な気がするから…
まだ、って…
うん、まだ、もうちょっとは、仲良くなりたいな…
「お待たせ」
ドアが開くと、笑顔で入ってきた彼女
俺の方を見ると「何か飲んでて。冷蔵庫開けていいよ」と、また笑う
少し緊張していたけれど、その笑顔でそれがふわっと浮いていく
着替えてくる、といって自室へ行く彼女
立ち上がって、そろーり冷蔵庫へ近付いて、開けてみる
女の子一人だっていうのに、きちんと食材が揃っていて、作りおきしたおかずもあって…
「大違いだな…」
「誰と?」
突然後ろからかけられた声にどきりとする
「え?…あ、あー…うちの冷蔵庫と!男ばっかりだからもっとぐちゃぐちゃだし、おかずなんてあったらすぐなくなったゃうからさ(笑)」
「…そっか、兄弟が多いんだっけ」
「…うん、そう」
うまく、ごまかせているだろうか
兄弟のくだりに関しては、本当のこと話してもいい気がするけど
でも、大勢で住んでるなんて変に思われるかもしれないし…
それでアイドルだってバレたら…
うーん…
「クリームパスタなんだけど、大丈夫?」
「!…うん、大好き」
前に一緒にソースを作った楽しさを思い出して、
手伝おうか、と言ってみても
「VIPなんだから座っていて(笑)」と、断られて
ソファに落ち着くことになる
こちらから見ても彼女の手際がよくて、下手に手伝わなくてよかったと思ったり…
「キッチン広くていいね」
「?…ふふ、いいでしょう?気に入ってるの」
「下の厨房みたい。Aの顔が見れるから楽しい」
「…?…(笑)」
「ん?」
「ううん(笑)…もう出来るからそこの引き出しからフォーク出してくれる?」
「うん!」
フォークの場所、グラスの場所
当たり前に教えてくれる彼女に
なんとなく、これがここでの最後の食事ではなく、
これからもここで、こうして二人で何度か食事をすることがあるのかな、なんて想像できた
勇気を出して聞いた連絡先と、やり取りしたメッセージたちは
ぐんと俺たちを友だちにしてくれたみたい
「食べよ」
「うん、いただきます^^」
「めしあがれ^^」
小さな食卓に
二人のためのパスタ
「美味しい?」と、ちょっと不安げに聞いてくれる僕のかわいい友だち
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ルル(プロフ) - はなさん» 見ていただけて嬉しいです!こちらこそありがとうございます!! (2022年4月13日 2時) (レス) id: 9ec4afd1ba (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 期待してのぞいたら更新されていて(;A;)嬉しいです!ありがとうございます! (2022年4月13日 0時) (レス) @page34 id: 3f48990b69 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - saya_*さん» あんにょん、お久しぶりです^^おかげさまでなんとか続けています!こちらもちょこちょこと書いていきますのでよろしくお願いします^^! (2019年11月10日 23時) (レス) id: 5e07b07294 (このIDを非表示/違反報告)
saya_*(プロフ) - ルルさんあんにょん!お久しぶりです^^お元気ですか?新作ありがとうございます(*^^*)やっぱりドンヘだった!(ハート)ルルさんの優しい柔らかい雰囲気のお話大好きです♪続きもたのしみにしてますね^^ (2019年11月9日 6時) (レス) id: 2aa5de40a8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - manmaruuさん» こんにちは!嬉しいコメントをありがとうございます!!こちらもそろそろ更新しますね^^これからもよろしくお願いしますー! (2019年11月5日 10時) (レス) id: 84ad280061 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルル | 作成日時:2019年10月26日 14時