愛される彼女１５

12 KAI ページ28

「あれ？ジョンイン一人？早いね」


KAI「ヌナが遅いの(笑)」


「え？皆は？」


KAI「とっくに着替えも済ませて先で待ってる」


「ジョンインは？」


KAI「ヌナが遅いから戻ってきた」


「迎えに来てくれたの＾＾？」


KAI「…行くよ」



俺の顔を覗き込もうとするヌナの手を取って歩き出す

目線だけ少し後ろを振り返ると、嬉しそうな顔

遊び疲れて眠いのか、温かい手

指を絡ませて歩くスピードを落とすと、やっと彼女が隣に並ぶ



KAI「またそんな薄着…寒くない？」


「うん…？」


KAI「(笑) 眠そうだね」



ふにゃっと笑うヌナの肩に、俺のシャツをかけてあげる



「どこまで行くの？」


KAI「地下の駐車場。ヒョンたちもう先に行ってるって」


「わかったぁ」


KAI「本当眠いんだな(笑) 赤ちゃんみたいな顔してるけど(笑)」


「む…うるさい」


KAI「(笑)」


「…楽しかった？」


KAI「ん？うん」


「そっか、よかったぁ…」


KAI「…ヌナ、乗って」


「え、いい」


KAI「ほら」


「…」



目の前でしゃがんで待つと、しばらくして背中に重み

深夜のホテルではほとんど人も居ないし、っていうか…ここの通路は人払いしてくれてんのか

のんびり歩いてると



「ふふ」


KAI「何がおかしいの」


「ジョンインが大人…」


KAI「(笑)」


「背中あったかい」


KAI「うん」


「遊びすぎた」


KAI「どんだけ遊んだんだよ、ヌナ(笑)」


「ふふ」


KAI「ヌナ…」


「んー…」


KAI「…皆とっくに大人だよ…ヌナは可愛い弟だと思ってても…それでも…男だよ」


「…んー？」


KAI「だからもうちょっと気をつけないと…」


「…」


KAI「…俺も男だよ、ヌナ」




……寝息たててるし

肝心なこと聞かないんだもんな、この人

そりゃ皆苦労するわ

…俺も




CH「お、いたいた」


KAI「ヒョン、静かに…」


CH「あ、ごめん…ヌナ寝てる？」


KAI「うん、遊び疲れ(笑)」


CH「ヌナのが子どもだな(笑)」


KAI「…だね」




エレベーターで地下まで降りると、

見えて来た見慣れた車が数台



KAI「…」


CH「ん？」


KAI「俺ヌナと帰る」


CH「……わかったよ(笑)」


KAI「…何、笑って」


CH「いや…たしかにジョンイン、今日ヌナのこと独り占めできなかったもんね(笑)」


KAI「！…うるさいよ、ヒョン」


CH「はいはい(笑)」




結局、俺もまだ子どもだ

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