ひとりにしないで 2

朝までおしゃべり ページ3

「はい、どうぞ」


「うわ、美味しそう」



食卓に着く頃には、いつものマルにだいぶ戻っていて

いただきます、と箸を手に取って嬉しそうに笑った

こうしてテーブルの向かいに座ることも慣れてきた気がする



"今日、ここにいていい？"



マルはさっきそう言った

聞き返した私に、

「取り敢えずご飯食べよう」って言うからそのままにしちゃったけど…



「マル…」


「うんー？」


「さっきの…今日ここに泊まるってこと？」


「！！…ごほっ…！」



突然むせたので水を注いだコップを渡す

ごくごくと飲んだ彼の目は涙目で、

その瞳でゆっくりと私に視線を合わせた



「あの…その……」


「…」


「その…だめ？」


「うんと…」


「あ、あの！もちろん！変な意味じゃないよ！？」


「！！」



突然彼が大きな声になったので、驚く



「あ、ごめん…；…あー…あの…」


「うん(笑)」


「だめ…だよね…ごめん、俺さっきなんか久しぶりに会えたから嬉しくてなんか、」


「朝まで、」


「…」


「朝まで、おしゃべりしようか」


「！……うん…」



ソジュン、無理だよ

この子どもみたいな彼の笑顔が、

嘘だなんて、思いたくないもの…




.




.



「俺だって一杯くらい飲めるよ！」


「嘘つかないでよ、お酒弱いって分かるから」



私だけお酒を飲み始めると不満そうにそう言うので

過去のシーンを思い出して言い返す



「だって…朝まで話そうって言ったのに俺だけシラフなんて…」



その気持ちも分からないでもない

飲み始めた私でさえ変な感じがするのは確かだ



「酔っ払って変なこと…」


「しないって！」


「…」


「キ、キュヒョン呼んでいいから！何かあったら…ソジュン、さんでも…いいし…」


「今呼ぶ？」


「え！いや、もう人を呼ぶには…時間遅いじゃん…」



言ってることが矛盾しているって自分で分かってるのか

頭をぽりぽり掻いたあと、コーヒーで我慢するよ、とつまらなそうにぽつりと言った

分かってる、彼が本心で言ってるんだろうなって

変なことするような人じゃないことも



「一杯だけね」


「え、いいの？」


「(笑)」


「あ…もしかしてわざと意地悪言ったの！？」


「意地悪じゃないよ、半分は本心だもん」


「は、半分は意地悪じゃん…もう…」


「ふふ…乾杯」


「…(笑)……乾杯」



さて、朝まで何をおしゃべりしようか

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