聞いてない ページ29
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すぐにインコの出る種目があるらしく、手を振って何処かへ行ってしまった。セクハラ男…もといい、カルロスはインコから解放されてすぐに何処かへと消えてしまい今現在、白河君と二人っきり。
「鳴の見るんでしょ」
「うん、そうだね。その為にわざわざここまで来たんだし」
白河君が歩き出したのを見て私も歩き出す。スピードは私に合わせていてくれてやっぱり、何気に優しいことが伺える。
私的には彼氏にするならインコよりも白河君の方がおすすめだ。まぁそんな事言ったら世の中のインコファンに殺されそうだけど。
白河君はインコがよく見える所まで連れてきてくれた。きっとインコに言い寄られでもしたんだろう。
「はあ！？何でカルロスがいるのさ！」
「季節外れのインフルで出られなくなった奴の代わりだとよ」
「聞いてないし！！」
「言ってないもんな」
インコ達の隣では先生が「早くスタート位置につけ！！」と言ってるにも関わらず喧嘩をし続ける二人を見て無性に恥ずかしくなった。
隣の白河君もどうやら同じようで「はあ」とため息をついていた。…大変そうですね、白河君。
結局先生に拳骨されて渋々スタート位置につく二人。
「よーい、スタート！」
勢いよく走り出したインコ達。一位はぶっちぎりでカルロス君だった。
「だから嫌だったんだよ！カルロスと走るのは！」
「ははっ、残念だったな、坊や。彼女にいいとこ見せられなくて」
一位になって調子にのってるカルロス君を睨めば「嘘、嘘だって…」といい始める。
この後は難なくインコ達の体育祭が終わり、私はインコに話しかける。
「この後、暇？」
「えっ、暇！ちょー暇！！！」
嬉しそうにブンブンと首を縦に振るインコ。私はインコに「グラウンド使えるかな？良ければ白河君達も誘って」と言った。
久々にインコと野球がしたくなったので誘ったのだ。白河君達も同じ野球らしいから誘ったら楽しくなるだろうと思って。
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