沢山 ページ28
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『門の前で待ってるから！』と言うことなので、案外早く見つかると思っていたけど……マジで早く見つかったわ。
門の前には沢山の人だかりが出来ていて、人だかりの中心にいる人物は金髪のような白頭が見える。すぐにインコだと気がついた。
話しかけるべきか……。いや、そのままスルーでいいかな。目立ちたくないし。
回れ右をして帰ろうとするとどうやらインコが気づいたらしく私の名前を叫んで手を振っていた。
「おーい、市春ー！！」
見つかってしまったものはしょうがないので、私はインコの場所に行く。
「久しぶり！」
「相変わらずモテモテだね」
私がそう言うとインコはニヤリと笑って「何〜、惚れちゃった？妬いちゃったのかなぁ〜？」なんて言ってくる。
「なわけないでしょ。ほら、行こう」
歩き出して一歩目。誰かが私の肩に手を回してくる。びっくりして振り向くとそこには褐色肌をした高身長の男の人がいた。
「誰……」
「あ、カルロス！！」
インコが叫ぶと言うことは知り合いなのだろう。取り敢えず私は彼の手をグググッと変な方向に曲げる。セクハラ反対。
「痛い、痛い！！」と五月蝿かったので手を話してやると「いてて…」と言いながら手をすすりそして言った。
「この美人ちゃんが鳴の彼女か」
「セクハラ」
「いや、セクハラじゃねぇよ！？」と言ってくる褐色肌の彼。インコは黙って彼の首を絞めていた。
「そこ、邪魔」
「あ、すいません」
茶髪の機嫌の悪そうな男子に言われついペコリとする。男子はインコ達のばか騒ぎを見て足を止めた。
「五月蝿い」
「白河！聞いてよ、カルロスが！」
「俺が悪いとしても首を絞めなくてもいいだろ！！」
また喧嘩し始める二人を見て「聞いてないし」と呟く。
「白河勝之」
「え？」
「俺の名前。であの黒い方がカルロス。鳴は知ってるでしょ」
「え、あ、うん」
何気に白河君いい人かもしれない。
「あー！！白河何してんの！！」
「…めんどくさっ」
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