吠える ページ27
成宮鳴side
勇気を持って明日市春に体育祭来てくれるかと聞いてみたところ午後からなら行ける、とのこと。俺はついつい嬉しくて吠える。
「鳴、うるせぇ!黙っとけ!!」
「雅さんの方が五月蝿いもんねー!!」
雅さんにそう言うと辞書が飛んできて危うく当たるところだった。
「ちょっ、危ないじゃん!!期待のエースに何てことしちゃってるわけ!?」
「…黙っとけ、って聞こえなかったか」
ガチギレの雅さんを見て俺は「ハイ、スミマセン……」と恐怖に怯えながら謝る。すると入浴が終わったのか白河が入ってきた。
喜んで、テンションが高い俺を冷たい眼差しで見ると白河は一言。
「漸くヘタレが動いたんだ」
「五月蝿いよ!!」
「よーけーなお世話!!」何て言って俺がそっぽを向くとカルロスが「拗ねんなって坊や」と肩に手を回してくる。
俺はカルロスにさっきの白河以上の冷たい目で見て言う。
「全裸でくっつくなよ、気持ち悪い!」
「あれ?さっき服着たと思ったんだけどなぁ」
「きもっ」
白河が「きもっ」と言ったことを筆頭に俺が「本当、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、キモい!!」と連呼する。
流石のカルロスも怒ったような顔をして俺の頬を引っ張る。
「いひゃい!!何ずんの!!
(訳:痛い!!何すんの!!)」
「いいこと教えてやろうと思ったけどやっぱ坊やには教えてやんねー」
「別にいいもんね!!カルロスに教えて貰わなくてもさ!!」
ふん!と明後日の方向に顔を向けるとコロッと機嫌を直したカルロスが「彼女の
「持ってないよ。市春写真とかそんなん好きじゃねーもん」
「何だそれ、残念」
「流石ヘタレ」
「ヘタレ関係ないでしょ!!」
「てか、俺、ヘタレじゃねぇーし!!」と言うとカルロスと白河二人とも口を揃えて「ヘタレだよ、鳴は」と言った。
「もう、お前らには市春見せてやんねー!!」
「五月蝿いって言ってんだろ!!」
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