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買い物の後、彼が勧めてくれたイタリアンレストランへ移動した。
薄暗い空間に暖色系の柔らかな光が照らしている。
人々で賑わっているというより、常連客がのんびりと食事をする隠れ家的場所なのかもしれない。
フロアの中心部にある席へ案内され、テーブルを挟んで向き合い座った。
ひとまず乾杯をするため注文した、グラスワインとチーズの盛り合わせがテーブルに並んでいる。
互いのことを知りたくて、仕事のことや家族のこと、地元はどこか、好きな食べ物、嫌いな食べ物など些細なことまで話が尽きない。
グラスが空になったことにも気づかずに喋り続けていた。
「あ、もうないや」
傾けたグラスから一粒の雫が流れ落ち、ようやく空だということを知る。
そんな私の呟きを聞き逃さない彼は、瞬時にメニュー表を開いて「何飲む？」と聞いてくるあたり、彼はとても気遣いやなのだろう。
「ついでに料理も注文する？」
「そやね。何食べたい？」
「そうだなあ」
「さっき、チーズ好き言うてたよね」
「うん、大好きなの」
「ならピザ食べる？」
「食べたい！あーでもさっきからお魚のいい匂いもするんだよね〜。迷う〜」
「両方食べればええやん。先にピザ食べて、次に魚料理」
「いいの？」
「もちろん」
「やったー！」
喜ぶ私を横目に、彼は店員のいる方へ控えめに手を挙げると、側へと足を運んだ店員へ注文を始めた。
女性だったからだろうか、彼と目が合ったその子は頬が緩んでしまうのを我慢しているみたいに唇をきゅっと結んでいた。
そりゃ、かっこいいもんなぁ。
誰でも浮かれちゃうよね。
お辞儀をして去っていく彼女の後ろ姿をぼうっと見つめていると、
「どしたん？」
なんて、彼が左手をフリフリしているのが目に入ってくるけれど、店員にまで嫉妬していたなど口が裂けても言えない。
「ううん、なんでもないよ」
だからニコっと表情を作って頭を横に振ると、
「それ絶対なんかあるやつ」
怪訝そうにじっとりとした視線を送られてしまった。
誤魔化せていないようだ。
女心がわかるの？
それだけ女性に慣れてるのかもしれない。
思考が悪い方へと向かってしまいそうで。
ダメだよ、せっかくのデート楽しまなくちゃ。
「小さすぎてつまらないことなの。大丈夫だよ」
「Aちゃんがそう言うならええけど」
これ以上は食い下がらず早々に話題を変えて話しを続けてくれた彼に、ホッと胸を撫で下ろすと共に、凹んでいないで頑張ろうと改めて思ったのだった。
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ルリ(プロフ) - 林檎さん» 林檎さま、返信が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。私自身キュンが大好きなのでそう言っていただけるのが最上の褒め言葉です、ありがとうございます。更新が滞ってしまい申し訳ない限りですが、今後ともお付き合いいただけると嬉しいです^^ (6月1日 13時) (
レス) id: 9b3e1dd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - キュン死しそうでした。素敵な作品をありがとうございます｡>_<｡お身体にお気をつけて (2023年4月14日 19時) (レス) @page26 id: 84e97ac5a3 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます。たくさんキュンとしていただけたみたいで嬉しいです。そしてファンとまで言っていただき恐縮です。全員分を同時進行で書いているので更新が遅くなってしまっていますが、末永くお付き合いいただけると嬉しいです^^ (2022年12月30日 15時) (レス) id: 9b3e1dd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
まい - はじめまして！すごくおもしろくていっきに読ませて頂きました！きゅんきゅんが止まりませんーきゅんで死にそうです 笑 更新大変かと思いますが頑張ってください☆すっかりルリさんのファンになりました！ (2022年12月30日 0時) (レス) @page21 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - わこさん» 返信が遅くなりごめんなさい。どうもありがとうございます。 (2022年12月16日 19時) (レス) @page21 id: 9b3e1dd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルリ | 作成日時：2022年7月16日 17時
