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朝の気配に誘われて瞼を開けると、窓からこぼれる日差しが眩しい。
虚な瞳で見慣れない景色を見渡し、ここがレンくんの部屋だということを思い出す。
そうだ、昨日彼の部屋に泊まったんだった。
彼と、一夜を共にしたのだった。
「起きてたの？」
隣から聞こえた甘い声に視線を移すと、寝ぼけ眼で目を擦る彼がふにゃりと笑って「おはよう」と言う。
そして伸びてきた腕の中に体はすっぽりと収まり、二人の距離が縮まった。
「おは、よう」
彼の温もりに包まれながら、胸に顔を当てて彼の匂いを深く吸い込む。
「眠れた？」
前髪を掻き上げられて、流れるように後ろ髪ごと耳へ掛ける彼の指がくすぐったい。
見上げて顔を覗き込めば、目が合う前におでこへちゅっと口づけが落ちてきた。
「うん」と頷く私の心の中は、幸福感でいっぱい。
昨夜の甘い時間を思い出し、嬉しいような恥ずかしいような、なんとも言えない照れ臭さで頬が緩んでしまう。
それは彼も同じ様子で、緩みそうになる唇を一文字に結び、不自然な彼の表情に好きの気持ちがまた一つ増えていく。
ああ、夢じゃないんだ。
脳裏に浮かぶ、昨日の光景。
映像が流れる度に心拍数が上昇していく。
それと同時、身体中の血液が顔へと集まっていくみたいに、火照っていくのがわかった。
多分、私の顔は真っ赤になっていることだろう。
それを隠したくて、彼に見られたくなくて、抱きつくふりをして顔を胸へと埋めた。
すると、自分のものではない鼓動が、耳元へ届いてきて。
私と同じように、速度を上げたそれは、彼自身も高揚している証拠だった。
ハッと顔を上げた私に彼は「聞かんといて」と恥ずかしそうに顔を歪める。
ドキドキしているのは私だけじゃない。
きっと彼も同じ気持ちなんだ。
彼の一挙一動に嬉しくなったり、落ち込んだり。
本音を知りたくて、振り回され過ぎて、自分で自分をコントロール出来なくて。
けれども不思議と、そんな私も嫌いじゃないことに気づく。
恋をしているから、恋がもたらす力が、原動力が、私にもあるんだって気がついた。
「まだ早いから、もう少し寝ようか」
彼が指に私の髪を絡めながら、そう小さく呟く。
ゆっくりと髪を手櫛でといて、柔らかく笑う。
これ以上の幸せって、他にあるだろうか。
彼と過ごす初めての朝以上の時間を、私は知らない。
「うん」
この幸せを噛み締めて、私は眠る。
彼の温もりに包まれて、意味もなく足を絡め合う、
この最上の時間を。
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ルリ(プロフ) - 林檎さん» 林檎さま、返信が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。私自身キュンが大好きなのでそう言っていただけるのが最上の褒め言葉です、ありがとうございます。更新が滞ってしまい申し訳ない限りですが、今後ともお付き合いいただけると嬉しいです^^ (6月1日 13時) (
レス) id: 9b3e1dd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - キュン死しそうでした。素敵な作品をありがとうございます｡>_<｡お身体にお気をつけて (2023年4月14日 19時) (レス) @page26 id: 84e97ac5a3 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます。たくさんキュンとしていただけたみたいで嬉しいです。そしてファンとまで言っていただき恐縮です。全員分を同時進行で書いているので更新が遅くなってしまっていますが、末永くお付き合いいただけると嬉しいです^^ (2022年12月30日 15時) (レス) id: 9b3e1dd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
まい - はじめまして！すごくおもしろくていっきに読ませて頂きました！きゅんきゅんが止まりませんーきゅんで死にそうです 笑 更新大変かと思いますが頑張ってください☆すっかりルリさんのファンになりました！ (2022年12月30日 0時) (レス) @page21 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - わこさん» 返信が遅くなりごめんなさい。どうもありがとうございます。 (2022年12月16日 19時) (レス) @page21 id: 9b3e1dd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルリ | 作成日時：2022年7月16日 17時
