尾切りの儀 ページ10
ルパン「俺にも銭形のとっつぁんっていう 何とも面倒な相手がいる。
って、まぁ別にいても支障にはなんねぇんだけどな。スパイス?みたいな…
とにかく、追われる相手がいて初めて怪盗ってのは輝くのよ」
散々嫌がっていた割に、怪盗としてのルパンの話にはきちんと耳を傾けるA
ルパン「そこでな?
ここにおられるお兄さんは、そりゃあ凄いお人なんだ。
……まぁ、お前さんのことだ。ちゃんと聞いてたんだろ?」
A「ニィ♪」
ルパンの言葉にニッコリと笑い、Aはいつの間にかつけていたイヤホンをチラリと覗かせる
その姿に驚きもせず、ルパンは立ち上がり TVの前に置かれていたぬいぐるみの耳の後ろから盗聴機を外して机に置いた
次元「……」
降谷「……」
そんな二人の行動を引いた目で見守る次元と降谷
ルパン「なら、話が早い。
これからが南本とも話した 『試験』 の内容だ。
代々伝わる 鼠小僧の "尾切りの儀"
まぁ、簡単に言っちまえば 一人前になるための最終試験ってもんだな」
ゴソゴソと胸ポケットを探り 7枚の写真を取り出す
ルパン「ここにある7枚……まぁ、2枚はもう盗ってるから残り5枚のブツを盗むこと。
それが 俺からの試験内容だ」
次元「で? この兄ちゃんはどうすんだ?」
ルパン「まぁ待てって♪
そこにおられるお方はとんでもねぇお人でな?
只でさえキレ者なのに、Aは名前はおろか自宅も押さえられてる。
そりゃあ酷ってもんだ」
「別に…」とこぼすAの言葉を無視してルパンは続ける
ルパン「ただよ、今 このお方はトリプルフェイスっつー ものすっげぇお仕事中で、微妙なバランスを保ちながら仕事してんのよ
そ・こ・で
Aは鼠小僧の時、そしてこのお方は『降谷』として公安の時 のみ逃げて、追われる立場で戦おうって事だ!」
高笑いするルパン
面食らう次元
すました顔でお茶を飲む降谷
そして、じっくりとターゲットを見つめるA
物語のスタートを知らせるように、柱時計がゆっくりと鳴るのだった……
終わり←公安と怪盗と
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作者名:哺乳類 | 作成日時:2019年2月5日 17時