邂逅 ページ8
A「！」
誰もいない路地裏に静かに降り立つと、Aはピタリと体を硬直させる
降谷「盗品を足元に。 両手を上げろ」
物影から銃口、腕、そして降谷の姿が月光に照らされる
A「……？」
後ろから聞こえる足音にAは小さく首を傾げる
段々と近付く降谷
しかし、ピクリた眉を潜めたと思うとAの先に銃口をずらした
降谷「次元……大介…」
ガサリと音をたててAの前の葉が音をたてる
次元「へぇ？ 確かに…… 厄介そうだ」
次元はゆっくりと歩くと、Aに背を合わせるように降谷と対峙する
降谷「相棒を変更……いや、子育てでも？」
次元「へっ！こんな手のかかるガキはいらねぇよ」
二つの銃口が静かに顔を合わせる
降谷「…… 」
次元「…… 」
A「……あ！」
次元「あ？ って、おい！」
静寂を打ち消し、大きな声を上げると
Aは次元の脇から降谷に向かって駆けていく
A「貴方、双子ですか？」
降谷「え、……と、あの…… い え。」
A「……」
降谷「っと……」
次元「おい、嬢ちゃん! 戻ってこい！」
更に顔を近づけるA
流石の降谷も面食らったように銃口を次元に向けたまま固まっている
A「んー……」
降谷「えっ と…」
A「やっぱり本人だ。
なんで銃なんか持ってるんです？えっと……
確か 『安室』さん？」
降谷「!」
次元「おい、この馬鹿娘！」
降谷「君は……」
次元「ちぃ！」
舌打ちをして降谷とAへ向かう次元
降谷は、すぐさまAの肩を抱くと
自身と次元の間に誘導し、その肩越しに次元へ銃を構えた
チャキ っと音がしてAの両肩に銃口が当てられる
降谷「……」
次元「……」
再び張りつめる沈黙
その沈黙を一つの笑い声が打ち消した
ﾙﾊﾟﾝ「はぁい、ストップー♪
お二人さん、可愛い子ネズミに火傷をさせる気かい？」
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作者名：哺乳類 | 作成日時：2019年2月5日 17時
