声 ページ8
久しぶりに聞いたキュヒョンの声。
別れてからDVDも見てないしCDも聞いてなかった。
1曲目から涙があふれてきた。
もうわたしの事なんて忘れてしまったんじゃないか。
今日来てるって知らされても迷惑なんじゃないか。
あの歌も歌ってくれないんじゃないか。
声を聞けて嬉しい気持ち。
これからの事を考えると襲ってくる不安感。
とめどなく涙が流れる。
そっと横に座る若い女の子がハンカチを差し出してくれた。
「キュヒョンの事大好きなんですね。」
「ありがとう。」
「キュヒョンは笑った顔が見たいっていつも言ってます。一緒に楽しみましょう?」
そうだよね。
泣いてたらだめだ。
涙を拭いてペンライトを振った。
MH「ヌナ。」
遅れていたミノがわたしの横に座った。
MH「ヌナひどいよ。俺たちの事置いて帰るんだもん。」
「ごめんね。」
MH「でもまた会えたからいいよ。もしもヒョンが情けない男だったら俺がかわいがってあげるからね。」
愛おしい人をなでるようにミノの手がお腹に添えられた。
「ありがとう。」
MH「あ、ヒョン来ましたよ。ヒョンもいい男なんだけどな。」
ステージに登場したチャンミンを見ながらわたしの方を伺うように見た。
「ほんとにそうだね。」
MH「今のは聞かなかった事にします。きっとヒョンが聞いたらまたいじけてこじれるから。」
キュヒョンの事もチャンミンの事も大切に思っているミノ。
MH「口止め料は高いからね?」
ミノが二人のそばにいてくれて良かった。
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作者名:るんるん | 作成日時:2018年2月15日 8時