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逆らった364回目 ページ15











腕を引かれることにはいい加減慣れた




いろんな人に、いろんなタイミングで腕を引かれてきたから






「ッ!!」






腕を引かれて、後ろによろけて、バランスが取れなくてそのまま背中から宮さんに飛び込んだ



からんからん、とプラスチック製のグラスがふたつ、床に転がった



外の方から がたん、と大きな音が聞こえる



慌てて立ち上がろうとしたけど、何故か抱き締められてる状態になっていて身動きすら出来なかった






「…ちょっと、なんですか」

宮「いや…、んー」

「グラス床に落としちゃったじゃないですか」

宮「それはすまんな」






なに、この人は何がしたくて私の腕を引いた?





すぐ近くに感じる宮さんの声を右から左へ受け流して考えていたら、グラスを持ってた私の手を掴んだ








宮「手、震えとる」


「…ちょっとびっくりしたんです」


宮「うせやん、話聞いて怖なったんやろ?

それ隠すために飲み物飲み干してまで外出ようとしたんバレバレやで」


「……別にそんなんじゃ、」


宮「まぁ俺はそんなんどーでもええけどな、けど」






宮さんは私の手を離して、ぽん、と頭を撫でた


いきなり頭を撫でられたことに驚いた






宮「そんなふうに、怖いときもしんどい時もひとりで乗り切ろうとするのはおすすめせんよ」


「……なんのことですか」


宮「誰かに“周りに頼れ”とか“ひとりで抱え込むな”とか言われへんの」


「…」







そう言われて、色々な人の顔が浮かび上がった









『もっと周りに頼れっつってんの』







『俺じゃなくても、少しでも気持ちが楽になるなら誰かに話してほしい』








『溜め込まないでほしい』








『もっと周りを頼って』









言われるよ、言われるけど、






頼るって、どんなふうに頼ればいいの?





ていうか、こんな重い話して頼ってもいいの?






私にはそれがわからない






わからないから、出来るはずもない






宮「しゃーないな、俺が直々にレッスンしたるわ」

「…はっ?」






レッスン?は?なんの話?あれ、なんの話してたっけ?←



クエスチョンマークを頭に浮かべていたら、ひょいと体を持ち上げられて、自然に宮さんに向き合う形で膝の上に座らされた



外でまた、がたん、と大きな音がした

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作品ジャンル:アニメ
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霸留(プロフ) - 美鈴さん» ありがとうございますー!黒尾さんの小説じわじわ増えていくんで…(( 今年もよろしくお願いしますね! (2018年1月2日 8時) (レス) id: 64be8c441b (このIDを非表示/違反報告)
霸留(プロフ) - ソルト=塩さん» ありがとうございます!待っていてくれるからとその言葉に甘えっきりにならないよう努めます! (2018年1月2日 8時) (レス) id: 64be8c441b (このIDを非表示/違反報告)
霸留(プロフ) - 審神者代理さん» 及川さんはたまに残念だけどサラッとイケメンなことするからやばいですよね (2018年1月2日 8時) (レス) id: 64be8c441b (このIDを非表示/違反報告)
霸留(プロフ) - チョコたんさん» さぁ…笑 そこらへんはまだ秘密です! (2018年1月2日 8時) (レス) id: 64be8c441b (このIDを非表示/違反報告)
霸留(プロフ) - 歩美さん» ありがとうございます!明けましておめでとうございます!今年もカメさんかもしれませんが、何卒よろしくお願いします! (2018年1月2日 8時) (レス) id: 64be8c441b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霸留 | 作成日時:2017年10月10日 0時

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